遠い空 (ページ10)

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story 10 ページ10

同じ空に、
遥輝がいる。
そう思うだけで頑張れた。

ーーー

｢A?お疲れ。

いきなりだけど、
お前オールスター分かるよな?

その、オールスターゲームの国歌独唱を
お前に歌って欲しい、と言う依頼が、

事務所通して決定になったから。｣

音楽番組の撮影も終わり、

帰宅して曲を作ろうとした時、

突如鳴り響いたスマートフォン。

電話の相手はジョーからだった。

そして、電話を出るなりいきなりそう言われた。

『え?国歌独唱? …野球の?』

｢そうだ。｣

『え、ちょっと待って!いきなり何?』

｢社長からの命令だ。｣

オールスターの国歌独唱って…

しかも、社長の命令じゃ断れない。

｢あ、それから、

いずれお前にも分かると思うから言うけど、

その、オールスターに遥輝、
ファン投票で選ばれたみたいで出場するみたいだ。

どうする?今回の件はお前にゆだねる。｣

『断るって言ったら?』

｢社長に上手く誤魔化しといてやる。

A、俺はお前を憎くて試してる訳じゃない。

むしろお前の味方だ。

アーティストである前に、一人の女だと理解してる。

これを機に遥輝に久しぶりに会ってみるか?

会いたいんだろ?｣

『少し考えさせて。』

｢分かった。

でも、そんなに時間は作れないぞ。｣

『分かってる。』