story 49 ページ49
君に出会う為に、
生まれてきたよ。
ーーー
4箇所回ったツアー最後の札幌ドーム公演。
｢LIVE終わったらドームまで迎えに行くし。｣
と、前日電話越し、遥輝の弾む声。
他球場で試合を終わり次第すぐに行くと言ってた遥輝からLINEが届いてた。
遥輝着いてるし。
5文字の短い文字やけど、互いに笑みが溢れる。
｢お疲れ!｣
『遥輝もお疲れ様!笑』
裏口に停めてある遥輝の車に乗り込む。
電話じゃ毎日してるけど、会うのは甲子園での試合振り。
互いに忙しくて会えなかった空白を埋める様に、
ジョーに、札幌ドーム終えたら休みを欲しいと頼んだ。
｢しばらくこっちにいられるんやろ?｣
『うん。今からどこ行くん?』
｢俺んち。｣
『遥輝の家?』
｢お前、今やらしいこと考えたやろ?笑｣
｢考えてへんよ。笑
それ考えてんのは遥輝やろ?｣
｢今日の俺はヤバいし。覚悟しとけよ!笑｣
『変態。』
｢変態上等じゃ!笑
俺がどんだけやってへんか…｣
そうこうしてるうちに遥輝のマンションに着いた。
思った通り遥輝の部屋は無駄なものがなくて、
几帳面な彼の綺麗な部屋。
むしろ、私の部屋の数倍は綺麗。
それでも、置いてある物や部屋の色使いから、
男の一人暮らし感がちゃんと伝わってくる。
｢なんか飲む?｣
『うん。
あ、ご飯作る。』
遥輝のマンションに行く前に寄ったスーパーで、
買い込んだ食材を持って、
遥輝がいるキッチンに駆け込すぐに調理にかかる。
メニューは、ポテトサラダ、木耳と豚肉の卵炒め、時短レシピを駆使したローストビーフとじゃがいものスープ。
喜ぶ顔が見たくて作ってみたけど、
本当にこれで良かったのだろうか？と、
不安になりながら、出来上がった料理を
テーブルに運んでいく。
すると、遥輝の顔に私の好きな笑みが浮かんだ。
「これ、全部俺の好きなやつやん。」
『味は保証できひんけど…苦笑』
｢A?俺がなぁ?
何で、Aを俺の家に誘ったか分かる?」
『ヤル為?笑』
｢アホか。笑
ま、それも一理あるけど、笑
Aが俺の家にいるって、
俺にとっては凄いことなん。
多分俺、9年間ずっとこの時が来るのを、
ずっと待ち望んでたと思う。」
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
