story 48 ページ48
いつもムリして笑顔作るより、
誰かのことを想って泣ける方が好き。
ーーー
｢俺、お前に対して相当余裕ないかも。
言っとくけど、俺意外と嫉妬深いし。」
そう言った遥輝の言葉、
胸が高鳴るどころか、ド○○キし過ぎて痛くなる。
遥輝が私を見つめる眼差しが、今までのものとは違う。
何十倍も甘く感じてしまう。
遥輝の言葉は、私に勇気をくれる。
いつも嬉しくなる様な言葉ばかり貰っているけど、
私はちゃんと彼に返せているのだろうか？
｢Aに会いたい。｣
毎日電話を鳴らす度、遥輝が私に言う口癖。
｢こうやって話してると、
Aに今すぐ会いたくなる。」
そう言われてもこれからツアーが控えてる。
『あ、札幌ドームあるから、
その日会えるで!笑』
｢いつ?｣
『1ヶ月先。笑』
｢長っ!今から来い!｣
『ムリやわ。笑』
｢こんな時どこでもドアがあったらえぇのにな。笑｣
会いたい気持ちを我慢したら何かいい事、
2人には待ってるよね？
会いたい気持ち私も同じ。
遥輝が暮らす町のことを、
テレビニュースで耳にする度、
どうしてんの？とか、今、何してんの？って、
返事の返らぬ問いかけをしてしまう。
そんな私の事、遥輝は知らんやろ？
会わない間に弱くなったこと笑うかな？
でも、分かって欲しい。
遥輝の中の強い私は本当の姿じゃない。
朝、目覚めた時、傍に遥輝がいたら、
どんなに幸せなことか…
『忙しいことも悪くないで?遥輝、
会える時間が余計に愛しく思えるから。笑』
｢お前は余裕やな。俺はムリや。｣
『あはは。可愛い。笑』
｢うっさい。｣
誰かに会いたい時、一番最初に私を想ってくれる。
それだけで、会えない日を乗り越えていけそう。
『遥輝?好きやで。
今のその気持ち、離れてても私を想ってて。』
｢今の俺の頭ん中、
野球よりもお前でいっぱいや。
こんなに誰かを好きになったのは初めてや。｣
身体中が震えた。
震えが止まらなかった。
今日、今、この瞬間、
この震えを私は一生忘れへん。
卓さんが前に私に言った様に、人は弱い生き物。
私も弱い人間なんかな？
電話越しでも、
"好き"とか言ってもらえることが凄く安心する。
やけど、人は弱い様で強い…
そして、その強さは凄く綺麗。
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
