遠い空 (ページ43)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:65,131 hit

story 43 ページ43

走り出した恋は、
もう誰にも止められない。
例え誰かを犠牲にしても…

ーーー

一旦タクシーで家に帰り、
急いで着替えてギリギリの時間に
事務所に着いてなんとか間に合った。

「朝帰りか?」

『えっ!?』

「そんな顔してたらバレるぞすぐに。」

ジョーは本当に勘が鋭過ぎて怖い。
多分ジョーには一生隠し事は出来ないと思う。
真っ赤な顔を隠しながらコーヒーを飲んでたら、
ジョーが笑って言ってくれた。

「良かったな。おめでとう。笑」

「うん、ありがとジョー。」

私は歌うことを仕事にしてるから、
ある程度、顔は世の中の人にも知られていて、
だから恋愛をしていく過程では、
いろいろな困難が待ち構えてるかもしれない。

週刊誌にも撮られたり、
事実でないことを記事にされたり。

だから、いつも私の隣にいてくれるジョーが、
1番の私の味方だって自信を持って言える
この関係が心強かった。
この人だけは、何があっても、
私の味方でいてくれると思うから。

「何笑ってんだよ?変な奴。」

『ジョーと出会えて良かったなーと思って。笑』

きっとスカウトしてくれたのが、
この人じゃなかったら、私は多分今頃、
この位置にはいられなかったと思う。

「俺?

お前が出会えて良かったーって、

思ってんのは遥輝だろ?笑」

「それはそうやけど…」

「お前が幸せなのは俺も嬉しいけど、

あんまり言いふらすなよ、遥輝とのこと。

この業界、いろいろ大変だからな。

お前もそれは分かってるだろ?」

「…うん、分かってる。」

ジョーの意見には私も賛成やった。
私と付き合ってることで、
遥輝が嫌な目に遭うのは避けたいから。