story 36 ページ36
あなたに、この心ごと愛されたい。
ーーー
｢そう、言うとったばい。
あん時の遥輝の顔ね、俺初めて見たばい。
キラキラした目で、
照れくさそうに笑うあいつを…｣
『でも、それ私なんですか?
他の人じゃ…』
｢遥輝が聴いとったのはDVDばい。笑｣
『DVD?』
｢そう。AちゃんのLIVE DVD。笑
あいつ、一時スランプに陥ってて、珍しく苛立ってて、
けど、
"Aが頑張っている姿を見ることで救われてた。
着実にAは日本で知名度を上げていて、
それを知る度に嬉しくて、
俺もまだまだ頑張れるって、やる気が出るって、
正直、和歌山から離れて北海道で、
このままやっていけるのか不安になる時もあるけど、
Aの存在がその不安を和らいでくれてた"って
あいつ言ってたよ。
人間って、単純な生き物ばい。笑｣
『中島さんは好きな人いますか?』
｢おらん。やけん遥輝が羨ましかばい。
Aちゃん?遥輝に弱さ見せれる?｣
『弱さですか?』
｢うん。弱音とか吐ける?｣
『小さい頃なら見せてました。
けど、今は、…どうやろう?』
｢見せた方がよかばい。
幾つになっても人は弱か生き物やけん。
この胸の中の弱さを見せられる人がきっと宝物や。
その宝を大事にね。Aちゃん。｣
..............
｢あ、いた。
お前、何動いてんねん。探したやん…
って卓さんと何してんの?｣
｢お前の悪口言うとった。笑｣
｢何それ。｣
｢嘘。ナンパしとった。笑
じゃあね、Aちゃん。｣
｢あ、中島さん!
ありがとうございます。｣
｢俺は何もしとらんよ。
Aちゃん!勇気と挑戦!頑張れ!｣
『はい!』
女の子はいつも恋に忙しい。
ちょっとしたことで不安になったり、
挫けたり、凹んだり、と。
それでも"幸せになる"為に、
皆、頑張ってる。
それぞれ"幸せの形"は違っても…
｢…何の話?｣
凄く不機嫌な彼と2人きり。
｢卓さんのこと好きになったん?｣
ちゃう。
｢卓さんに会う為に来たん?｣
ちゃう。
｢なんか言えや。｣
じゃあ、言う。
本気で人の胸ん中にぶつかってくる人へ。
『遥輝が好き。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
