story 35 ページ35
願わくば永遠に、
この心、無傷でいたい。
ーーー
遥輝がシャワー室に行ってから、
遥輝に"ここで待っとけ！"
って言われたけど、一人で待ってられず、
遥輝がいるシャワー室を通り過ぎて、
長い廊下を歩いてると誰かに声を掛けられた。
｢もしかしてAちゃん?｣
『え?あ、はい。えっーと、』
｢あぁ、ごめん。挨拶なしに、
俺、遥輝と同じチームメイトで、
中島卓って言うけん。
ここで何しよーと?遥輝?｣
『あぁ、えっと、』
｢あいつ今、シャワールームにおるよ。
呼んでこようか?｣
『あ、大丈夫です。
遥輝にシャワー終わるまで、
待ってろって言われたんですけど、
なんかじっとしてられなくて…』
｢そっか、
でも、ここじゃなんやけん、向こう行こ。｣
と、廊下の壁に並べられた長椅子に指を指して、
その椅子に座ってから、
隣のスペースにポンポンと叩く中島さん。
横に座れってこと、よね？
｢Aちゃんは、
あ、気安くAちゃんなんて言ってごめん。｣
『あ、全然いいですよ。笑
でも、どうして私のこと知ってるんですか?』
｢そりゃ知っとーばい。
有名な人やけん。笑｣
『あぁ。』
｢それに遥輝から、
Aちゃんのこと聞かされとーけん。｣
『遥輝が私のことをですか?』
｢遥輝と地元が一緒で幼馴染みなんやろ?｣
『はい、そうなんですよ。笑』
｢それ初めて遥輝から聞いた時、
ばりビックリしたばい。笑
…もしかして遥輝と付き合ってたりする?｣
『付き合ってないですよ。
…私の、ただの片思いです。』
｢そうなん!?｣
『え?そんなに驚くことですか?笑』
｢いや、ごめん。
…あいつに告ったりせんと?｣
『そのつもりで今日来ました。』
｢え!?｣
『もう、自分に嘘つきたくないんです。
小さい時からずっと好きで、
だけど、何も言えなくて、
そんな自分が嫌いで、嫌いで、
だから、見つけたいんです。
私なりの本当の恋を。』
｢Aちゃん、遥輝ね?
前に…｣
..............
「あれ、遥輝またこの曲聞いとーと?
いつも思うとったけどこん曲ばりよかね。
誰ん曲?」
｢…俺の好きな奴。｣
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
