story 33 ページ33
全てには理由がある
全てには意味がある
私達が出会ったのも、
きっと何かの為、いつか分かる日がくる。
ーーー
新大阪駅に着き、
甲子園球場に向かう。
人がごった返してて、騒がしい街。
久しぶりに聞き慣れた関西弁が飛び交う。
周りにバレない様にと、身に付けた
サングラスとマスク姿が、
逆に人際目立ってしまうと思ったけど、
降りしきる雨が、私を味方につけてくれた。
傘を深く差し、なるべく人がいない所を歩く。
球場に入ると、グッズ売り場で、
遥輝のユニフォームと合羽を買い席に着く。
席はライト外野席の一番前。
オールスターゲームと言うこともあり、
約5万人の人が詰めかけていた。
それぞれ応援するチームの、
ユニフォームを来たファン達が生き生きしてる。
そんな人達の中に交じって私も今か今かと待つ。
遥輝にも内緒の一人観戦。
試合は一ファンとして観てたいから。
降りしきる雨の中で行われた試合で、
遥輝はスタメンに入った。
1番バッターとして遥輝の名前がアナウンスされ、
遥輝が登場した。
私が光の中が似合うと言うのなら、
遥輝は、芝生の上がとても似合う。
3回表
西川遥輝のタイムリーヒットを放つ。
そして、周りから大歓声が上がる中、
私も遥輝に拍手を送った。
試合は中盤に差し掛かった時、
雨は更に強くなった。
5回表の攻撃が終わり、
中堅の守備につくところで、
遥輝と偶然に目が合った…
私を見て、驚いた顔があまりにも、
拍子抜けしてて面白かったから、
思わず遥輝にピースサインを送った。
それを見て、フッて小さく笑った後、
折り畳み傘を差したまま、
グラウンドを進む遥輝は守備位置につくと、
今度はスタンドのファンによる、
ヤクルトの応援歌、
「東京音頭」に合わせて、傘を上下させた。
ったく、何やってんの…
ファンを喜ばせてる様に見せかけて、
一番、遥輝が喜んでやってるやん。
第2戦の試合はセ・リーグが勝利した。
席を立とうとした時、
スマホのディスプレイに、
"遥輝"
の文字と、小刻みに震える本体。
『もしもし?』
｢もしもし、ちゃうわ。｣
『ビックリした?笑』
｢したわ!
もー、お前何してんねん!
とりあえず関係者入口に行って、入れてもらえ。
関係者の人に入れてもらえる様に言うとくし!｣
と一方的に言った後、電話が切れた。
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
