検索窓
今日:1 hit、昨日:18 hit、合計:65,141 hit

story 29 ページ29

彼を多く語るには、
私にはまだ分からないことだらけ。

ーーー


「乗れ。」


って遥輝に言われたけど、

こう言う時って助手席に乗っていいものなのか?

それともやっぱり後ろの後部席?

迷った挙げ句に、後部座席のドアを開けたら、

運転席に既に座っていた遥輝に思いっきり、

冷めた目で睨まれた。






「フツー、助手席やろ?」

『あぁ、あはっ。笑』






とりあえず笑って誤魔化す。

そして遠慮がちに助手席のドアを開けて、

椅子に座る。

黒の革張りのシートは、

とにかく座り心地が良くて、

遥輝の香りがする車内。






「予定変更 !」






って、遥輝に聞かれた私の家の住所を、
カーナビに登録した後、車が発進した。






「飯食いに行こ。まだやろ?」

『まだやけど、』






確かに途中に取った休憩では、

カフェオレとチョコレートしか口にしていない。






『…えっと、2人、で?』

「他に誰がおんねん。笑」






特に話すこともなく着いた場所は、

見た目少し年季の入った定食屋。






(いらっしゃい。あらっ珍しい!
西川くんが可愛い女の子連れて来るなんて、
あれ?なんか、彼女誰かに似てるね、えーっと、)






「誰でもえぇやん、笑

まだ閉店前やんなぁ?なんか食わせて。」







遥輝はここの常連なのか、

慣れたように奥のテーブル席に座った。

お店を切り盛りしているのは、50代の夫婦。

ホール担当が奥さんで、調理がその旦那さん。

メニューを見ると、定食以外にも、

うどんや蕎麦もあってその豊富さに驚いた。






「何食いたいのか聞くの忘れたから。

とりあえずここならなんでもあるから好きな物頼め。」







豊富過ぎるメニューに困る。
どうしよう。悩む。けど、早く決めないと。






「焦らんでえぇから。笑」




...なんか、見透かされてる?






『ここのオススメって何?』

「オススメ?おばちゃん、ここのオススメって何?」

(そりゃ、サバの味噌煮定食だよ。)


『じゃあ、それでお願いします。』

「俺はいつもの。」

(はいよ!)






注文を終えてお店の中をキョロキョロ見渡す。
なんか、落ちつくかもこのお店。

story 30→←story 28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:haru | 作成日時:2019年7月26日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。