story 22 ページ22
あなたを、
遥輝だけを、
ここから見ていたい。
ーーー
｢お疲れ!見事だったよ! ｣
『緊張して、足ガクガク言ってる。』
｢あはは。お前にしては珍しいな。笑｣
『緊張するに決まってるやん!泣』
｢それは、遥輝がいたからか?
それとも歌い手としてか?｣
『両方!』
｢頑張ったご褒美欲しいか?｣
『何?今、お腹いっぱいやで?苦笑』
｢このまま、野球見て行くか?｣
『…いいの?』
｢俺も見たいし。笑｣
あぁ、忘れてた。
ジョーは根っからの、
ジャイアンツファンやった。
その反対に私は阪神ファンで、
阪神対巨人での試合は、
いつもジョーと、どっちが勝つか競い合ってる。
｢行くぞ!｣
『どこに?』
｢VIP席。笑｣
『イェーイ!笑』
ジョー、ちゃっかりしてんなー。笑
もしかして、今回の話、
私をオトリに使ったんちゃうやろうなぁ！
ジョーならやりかねへん。
スタッフ連れて、そのVIP席に向かう時、
ジョーが｢先に行っててくれ。｣
なんて言うから『トイレ？』って聞いたら、
｢そう、デカい方!｣
って、どっちかなんて聞いてへんのに、
大きな声で言うから、周りのスタッフも、
皆、大爆笑してる。
｢Aさん、この部屋です。｣
と、球団の方に通された部屋は、さすがVIP！
ってくらい外野スタンドに設置されてる場所で、
冷暖房は勿論のこと、飲み物も飲み放題で、
軽食も出来る快適な空間場所。
選手の顔は、はっきりとまでは見えないけど、
全体的に見えやすくて、最高！
早くジョーと野球見ながらの野球対談したーい！
早く！ジョー！
ってか、どんだけ遅いの…笑
まずは今日のスタメン誰かな？
遥輝…
スタメンちゃうのか、
けど、どっかで出てくる可能性ありやね。
なんだって、オールスターゲームやし♪
なんて、
緊張から一気に解放されて、
呑気なことを言ってるや、私。笑
もうジョーは何やってんの！
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作者名：haru | 作成日時：2019年7月26日 16時
