何もしてません… ページ38
【A】
今、何時だろう…。
カーテン越しに空が明るくなってきてるのがわかる。
そろそろと半身を起こしてベッドの方を見ると、
よく眠っている結弦くんの姿がある。
夜中の結弦くんはいつもと違ってた。
なんだか…すごく甘えてた。
『敷かないで、一緒に寝る…？』
もちろん一緒には寝なかったけど、
その言葉を思い出すだけで頭が沸騰しそうだ。
私は…どうしたかった？
自分に問いかけてみる。
長い間、自分の心にかけた何層ものフィルターが邪魔をする。
本当の気持ちがわからなくなる。
結弦くんは、まだ私を…好き？
そんなはずないと打ち消そうとするけど、
最近の結弦くんの態度を思い返すと
きっともうごまかせないところまで来てる。
枕元のスマホで時間を確認すると５時半だった。
いつもの起床時間。
さすが体内時計は正確だな、なんて思う。
結弦くんはまだまだ起きそうにない。
近寄っていって、ベッドサイドで結弦くんの顔を覗き見る。
綺麗な顔。
いつもはかっこいいのに、寝てるとこんなに可愛くなるんだ…。
恐る恐る、その柔らかな髪に触れてみる。
その手を滑らせて頭を撫でる。
ふふ…天使みたいだな。
大切な、私の憧れの人。
「結弦くん、どうして私なんか好きになっちゃったの…」
すべすべの頬に吸い寄せられるように
距離をつめて自分の唇をつけそうになって
すんでのところで我に返る。
えっ！？私、今なにを！？
これじゃ本当に変態じゃないか。
世界の羽生結弦の寝込みを襲うなんて。
うわー！最低最低！！
えっと…なかったことに！なかったことにしよ！
うん、私、何もしてない忘れよう！！
動揺しながら違うことを考える。
えーっと、私はいつまでここにいていいんだろ。
見たところ結弦くんはもう大丈夫そうだし。
起きるまでいてって言われたけどそれっていつ？
冷静になった途端トイレに行きたくなってきた。
行きたいけど、お姉さんや赤ちゃんを起こしちゃったら…。
仕方ないちょっと我慢するかと思ってたら、
奥の方から赤ちゃんの泣き声と人が動く音がする。
助かった。
お姉さんも起きてるなら物音をたてても大丈夫だよね。
結弦くんが眠っているのを確認してからそっと部屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっき(プロフ) - 鹿さん» 恋愛、詳しくない。そして、ね、みんな。はゲーム実況だったのか！知ったかぶりがバレたぁ！しかも略奪はツイキャスじゃなくてYouTubeライブだった！こんな私ですが、これからもよろしくお願いいたします（笑） (2022年10月20日 23時) (
レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - ハルナさん» 迷惑だなんてとんでもないです。読んで感想いただけるのは本当に救われます(^^)続きを書きたいと思う力をいただいてます。これからハルナさんの願望を参考にした場面に入っていきます！読んでもらえたら嬉しいです。羽生さん、我慢出来るかな（笑） (2022年10月20日 22時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - もうらっきさんを恋愛マスターと呼びたいｗｗどうやって引き留めるのかドキドキします…！ (2022年10月20日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
ハルナ(プロフ) - 確信→更新を、の間違いです(^^) (2022年10月20日 16時) (レス) id: d0ddbcd444 (このIDを非表示/違反報告)
ハルナ(プロフ) - はぁ…悲しい…。。こんなセンシティブな難しい内容も、丁寧に書いてくださり、悲しい気持ちにもなれて、でもこの後の雪解けも楽しみで、、。こんなにワクワク確信を待てて幸せです(^^)感謝です♡(毎回感想書いてご迷惑じゃなかったらいいな、と思っています笑) (2022年10月20日 16時) (レス) id: d0ddbcd444 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らっき | 作成日時：2022年8月6日 0時
