彼の本心 ページ2
【結弦】
彼女の手料理が並べられる。
「ごめん、簡単なものしかない。足んなかったらおにぎり握る！」
充分だった。
目の前には３品とデザートのチョコみたいなやつ。
俺には手がこんでそうに見えるし、どれも美味しそうだ。
働いてんのによく作れるなと感心する。
彼女曰く、どれも超簡単らしいけど。
“しばらく会わないでスケートに集中したい”ということをどのタイミングでどう伝えるかがこんなに難しいとは思わなかった。
俺のためにバタバタ一生懸命な彼女を見ていると。
俺に会えて嬉しそうな彼女を見ていると。
別にわざわざそんなこと言う必要ないんじゃないか？という気がしてくる。
今だって毎日会うわけじゃないし、会わない時に俺が集中して修正すればいいだけの話だ。
それくらいが出来ないならこの先だって彼女と一緒にいるのは無理なんじゃないか？
だから何も言わずにこのまま彼女といればいい、そうは思うけど。
俺のスケートに対する向き合い方はそうじゃないのだ。
少なくとも、そんな風に中途半端にスケートに向き合ったことなど一度もなかったのだから。
“言う必要ない”と“言わなきゃならない”
その両方で揺れながら、なかなか決心がつかないまま食事をする。
「なんか結弦くん元気ない？」
そんな様子はやっぱり見透かされる。
「ん？そんなことない。それより料理。どれもめっちゃウマい」
「ありがと。でももっとごちそうにすれば良かったね。バレンタインなのに」
「平気だって。あんまあっても俺食えんし…」
彼女が俺をじっと見ている。
「なに？」
「んー。やっぱりなんか元気ない。皆元気ないんだよねぇ最近」
「皆って？」
「一番仲良しの、かおりんっていう後輩もすごく元気なくて」
「あぁあの、クリスマスとか正月とか一緒にいた子？」
「そうそう。片想い中の彼と何かあったのかもしれなくて」
「まぁ人間だから元気ない時くらいあるでしょ」
「そうかなぁ。で？結弦くんはなんで元気ないの？なんかあった？」
澄んだ目で見つめられてこれ以上はごまかせないと思った。
これは俺を本当に心配してくれている目だ。
本心を言わない訳には、いかない。
「Aさん、俺、しばらくスケートに集中したいと思ってる。だから自分で納得出来るまではAさんに会えない」
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らっき(プロフ) - 璃子さん» いつもコメントありがとうございます(*^^*)待ってるっていうお言葉に救われます！最近、展開が暗いうえに萌えがないので申し訳ないんですけど、こういう時期ということで。まだまだラストは遠いですが地道に書くのでお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2022年1月20日 21時) (
レス) id: 094371919b (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - (誰も待ってないか)←笑←待ってますよ〜(◠‿◕)いつも楽しみにしてます。でもらっきさんのペースでどうぞ♪ (2022年1月20日 15時) (レス) @page48 id: a68a41f56a (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - エミルさん» コメントありがとうございます！ちょっと冷たすぎましたかね（笑）と反省してます(^_^;)今年もよろしくお願いいたします。 (2022年1月8日 17時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - おこな羽生さんですね。冷たい羽生さんは大好物なので(笑)、ドキドキしながら読みました。どちらの気持ちも切ないですね。 (2022年1月8日 16時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 璃子さん» 鹿さんへのメッセージに返信していいかな？と思いますが返信させて下さい。笑 私の妄想キャラをいい男だって言っていただいてありがとうございます(*^^*)坂本くんは私の好きなキャラなんです！サラっと実はなんでもわかってるってところが。現実にいたらいいな！ (2021年12月17日 22時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らっき | 作成日時：2021年11月25日 12時
