２人の後輩 ページ47
【主人公】
「すみません、私、今日眼科予約してたの忘れてて。今日の約束、なしにしてもらってもいいですか？」
いつもの社食でのランチタイムに後輩のかおりんが両手を合わせて謝る。
「うん。大丈夫だよ。また今度ご飯でも行こ」
「ほんとすみません」
今日はＮｏ残業デーで、バレンタインの材料を見に行った後、ご飯に行くという約束をかおりんとしていた。
今年、かおりんはずっと片想いをしている彼に告白する決意をしていた。
６年近く想い続けてやっと義理としてではなくて本命としてチョコレートをあげる。
そのために一緒にいろいろ見に行く予定だったのだけど。
「でもあの彼にチョコはあげるんだよね？頑張ってね！」
「無理かもしれません…」
かおりんはちょっと困った顔で笑った。
「どうして？なんかあった？」
ほんの少し前までは、今年こそは想いを伝えるって張り切っていたはずだ。
「告白、する程でもないかなって。あっ！私、１時半までに頼まれてる仕事があるんです。先、戻りますね。すみません、主任」
そう言うとバタバタと食器を片付けて行ってしまった。
何か様子が変だ、と思っていると「ここ空いてます？」と声をかけられ、顔を上げると坂本くんだった。
「坂本くん、今からお昼？」
坂本くんはさっきまでかおりんが座っていた目の前の席にどっかりと座った。
テーブルに社食のうどんを乗せたトレーが置かれる。
「見ての通り、これからうどん食います」
人懐っこく笑う坂本くんは新人の頃から全然変わらない。
「さっきまでそこ、藤本さんがいたんだよ」
「へぇ。藤本が。ほんとに仲いいんスね。ま、俺も仲いいけど」
「坂本くんがそう思ってるだけだったりして」
「そこそこ親しいですけどね」
坂本くんはそう言いながら平然とうどんをすすっている。
坂本くんのことをかおりんに聞いたら“仲間内では時々会うけど別に仲良くない”と言っていた。
坂本くんにはかわいそうだけど、男女だと距離感のとらえ方が違うのかもしれない。
「あ、これ食べますか？」
坂本くんが差し出したのは見覚えのある赤い箱のチョコレートだった。
「あっ！これ残業中によくくれてたやつ！懐かしい。いつも持ってるんだね」
そしてこれは昔、冬に結弦くんがＣＭしてたチョコレートだ。
「いつも家にあるから持ってきてるだけですけど」
「へー。ありがとう。いただきまーす」
チョコを口に放り込んでモゴモゴしている私を見て、坂本くんが笑った。
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らっき(プロフ) - エミルさん» コメントありがとうございます(*^^*)今後はハラハラドキドキというかなんというかの展開（なんだそれ）になりますが、楽しんでいただけたら嬉しいです！お互い楽しんで書けるのが一番ですよね！頑張ります。 (2021年11月23日 21時) (
レス) @page49 id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 自己満足で書いているけど、やっぱり読んでいる方がどう思われているのか気になりますよね〜。この先はハラハラしそうな展開でしょうか？移行後も楽しみにしていますね。 (2021年11月23日 10時) (レス) @page50 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 鹿さん» この後徐々に何かが起こります！（そりゃそうだ）私ももっと日常の羽生さんを書いてみたいなーと思います。（願望）いつもコメントありがとうございます(*^^*) (2021年11月22日 22時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 何かが起こりそうな予感がぷんぷんする！続きめちゃ楽しみです＾＾羽生さんのご自宅での様子が垣間見れて幸せでした！確かに、読者さんの顔が見えないのはさみしいですよね＾＾ (2021年11月22日 16時) (レス) @page50 id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 鹿さん» 相談相手、いると良いですね。スケートのことなら誰にでもサラっと聞いちゃいそうですよね。んでプライベートのことは話さなそうなイメージです。昌磨さん、平昌の時に比べるとメチャクチャ大人になってました。可愛いからカッコいいになりました。私の中で（笑） (2021年11月16日 8時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らっき | 作成日時：2021年10月13日 14時
