叶った恋 ページ20
「私と彼が、付き合ううちにお互い変わっていったって言ったけど、あれは嘘。気持ちが変わっちゃったのは彼のほう。私はずっと何一つ変わってなかった。でもそれって悲しすぎるじゃない。だから2人一緒に変わっていったって思い込みたかったのかも」
「……」
「忘れてますって顔して、どこかで待ってたの。もう一度、迎えに来てくれるのを。でももう、大丈夫」
「本当、ですか?」
「うん。だって彼はこんな私も丸ごと大切にしてくれたもの。プロポーズもしてくれて、自分の気持ちに嘘ついてでもずっと私と一緒にいようとしてくれてた。彼が大切にしてくれた私を、私が大切にしなきゃね」
美華さんは少しだけ鼻をすすってから、力説した。
「私の恋は、きっとあの時叶ったの!
ちゃんと叶えてくれた彼には感謝しかないわ」
「その気持ち、すごくわかります」
「Aちゃんは、ちゃんと吹っ切れた?前付き合ってた、すっごく大好きな人のこと」
「私はこれからです。あさって、気持ちを伝えてきます」
「あさって?それってすぐじゃない?でも嬉しい、うふふふふ」
「何がですか?その顔、ちょっと怖いんですけど…」
「だってAちゃんって、全然自分からそういう話をしてくれないから。具体的に日にちまで教えてくれるなんてレアよレア!!坂本くんだけ、Aちゃんの恋愛事情知ってるみたいでずるいって思ってたんだからねっ」
「だって話したら絶対うるさそうですもん、美華さんは」
ふざけて笑うと美華さんも、生意気よと笑った。
「いつか、話せる時が来たら聞いてください。女同士で、坂本くんのいない時にでも」
そう言うと、美華さんはうつむいた。
「そうねえ。でもこれから2人だと寂しくなっちゃうわね」
「え、何のことですか?」
「え…、Aちゃん、聞いてないの?坂本くんのこと」
美華さんは目を丸くした。
「何も、聞いてないですけど…」
美華さんがそれを聞いてから
あぁ…と一人納得する。
「きっと、Aちゃんには言い出せなかったのかもね。坂本くん、先週ほとんど会社で見かけなかったでしょ?あれ、転勤先に行ってたからなのよ」
「え…?」
「内示が出たんだって。坂本くん、12月からシンガポール勤務よ」
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らっき(プロフ) - 神威さん» そうだったのですね。ファンの方だと思い込んでこちらこそすみません!そして嬉しいです。作品の心配をして下さって。今すぐには無理そうですが、完結まで書きたい気持ちが強いです。気持ちの整理がついたらいつか。とりあえず神威さんが辛くなくて良かったです!笑 (8月5日 23時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - の作品の心配を...それくらい読み応えがあって、そういう世界があるんじゃないかと(そしてそれが応援できる)思い込んでいた...と言いますか。。。なので更新通知を見た瞬間「あ...もう書けません通知かもしれない...つら...」と身勝手ながら思っておりました。。。 (8月5日 21時) (レス) id: aa58e06295 (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - お返事ありがとうございます。実は申し上げにくいのですが、私は羽生さんのファンではなくて、らっきさんの作品の羽生さんが好きでして...もちろん凄いスケーターの方である事は知っていたのですが...なので報道を知った時も、リアル羽生さんの事というより、らっきさん (8月5日 21時) (レス) id: aa58e06295 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 神威さん» 神威さんのお気持ちは大丈夫でしょうか?ショックを受けられてませんか?何かあったら吐き出して行ってくださいね。結婚すると推しが変わってしまう心配を普通はするのに、羽生さんは何も変わらない、そう思わせてもらえるのはすごく幸せなことだと思っています。 (8月5日 20時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 神威さん» コメントありがとうございます。続きがありましたかね?最初に思い浮かべていただいたなんてなんだか嬉しいです。ダメージは受けてます。嬉しいし安心した気持ちはあるけどショックはあります。でも時間がかかっても書いてみたい気持ちが確かにあります。(続く) (8月5日 20時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らっき | 作成日時:2023年3月22日 13時