やっぱり間違ってます ページ19
「坂本くん、よっぽど心配したんですよ。いつも冷静だし優しいのに。あんなに血相変えて走ってく坂本くん、初めて見ました」
「えっ?坂本くんが優しい!?うーん…、でもまぁ、Aちゃんには優しいわよねえ」
今度はうんうんと頷いた後、真面目な顔になった。
「ねえ、Aちゃん。坂本くんは本当にAちゃんのこと好きよ?」
「…はい」
「あれであの子、結構いい男だと思うのよね。イケメンだし仕事も出来るし、私にはアレだけど、性格もいいし。何よりAちゃんを一番に想ってるし。だから、2人がそうなってくれたらいいなって」
美華さんの言おうとしていることがわかった。
坂本くんを、ものすごく思いやってるってことも。
でもやっぱり、ちょっと微妙に間違ってますよ。
そう思って笑った私に、「なんで笑うのよ!」と怒ってる。
「私と坂本くんは、きっとそういうのじゃないです」
「ガーン!そんな可哀そうなこと言っちゃうの!?」
「そのうちに気付くはずです。ずっと本当に好きでいてくれたとは思いますけど、だんだん変わってきてる」
「でもまだまだ好きそうよ!?」
「でも私たち、多分キスも出来ない関係ですよ」
「えっ?キス!?」
あの夜、私を抱きしめる以上のことが出来なかったのは、私が戸惑ったからじゃない。
きっと坂本くんも戸惑ったのだ。
本人も気付かないような無意識の中で。
「まぁ、もうちょっとしたらわかるかも」
「ふぅん」
腑に落ちない顔をしながら美華さんは伸びをした。
「あー!でもなんだかスッキリしちゃった!」
「すっきり?」
「違う方面から、彼が結婚間近らしいって噂を聞いてたのよね。いつ本人から連絡が来るかってビクビクしてたから」
「もう吹っ切れてるって思ってました。前にそう言ってたし」
「ふふっ。私、ちょっと嘘ついてたのよね」
「嘘?」
「そう。Aちゃんにも、自分にも」
美華さんは髪先をクルクルと指で触りながら照れたように笑う。
86人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らっき(プロフ) - 神威さん» そうだったのですね。ファンの方だと思い込んでこちらこそすみません!そして嬉しいです。作品の心配をして下さって。今すぐには無理そうですが、完結まで書きたい気持ちが強いです。気持ちの整理がついたらいつか。とりあえず神威さんが辛くなくて良かったです!笑 (8月5日 23時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - の作品の心配を...それくらい読み応えがあって、そういう世界があるんじゃないかと(そしてそれが応援できる)思い込んでいた...と言いますか。。。なので更新通知を見た瞬間「あ...もう書けません通知かもしれない...つら...」と身勝手ながら思っておりました。。。 (8月5日 21時) (レス) id: aa58e06295 (このIDを非表示/違反報告)
神威(プロフ) - お返事ありがとうございます。実は申し上げにくいのですが、私は羽生さんのファンではなくて、らっきさんの作品の羽生さんが好きでして...もちろん凄いスケーターの方である事は知っていたのですが...なので報道を知った時も、リアル羽生さんの事というより、らっきさん (8月5日 21時) (レス) id: aa58e06295 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 神威さん» 神威さんのお気持ちは大丈夫でしょうか?ショックを受けられてませんか?何かあったら吐き出して行ってくださいね。結婚すると推しが変わってしまう心配を普通はするのに、羽生さんは何も変わらない、そう思わせてもらえるのはすごく幸せなことだと思っています。 (8月5日 20時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 神威さん» コメントありがとうございます。続きがありましたかね?最初に思い浮かべていただいたなんてなんだか嬉しいです。ダメージは受けてます。嬉しいし安心した気持ちはあるけどショックはあります。でも時間がかかっても書いてみたい気持ちが確かにあります。(続く) (8月5日 20時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らっき | 作成日時:2023年3月22日 13時