LESSON３―��減点１ ページ17
【A】
瞼が重い。
鼻が詰まってて息苦しい…。
目を開けると目の前には真っ黒な布。
…あぁ、やっちゃった。
こうなる前のことがハッキリ思い出される。
顔をその布から離しおそるおそる上の方を見ると。
「目ぇ覚めた？」
破壊的に優しい顔で小首をかしげる結弦くん。
「ど…うわあっ？」
思わず声をあげてしまう。
「なんだよその声。ちょっとは色気のある声を出せ」
「へっ…！？」
「いや、なんでもない。やっぱ今はいい！」
私を抱きしめる腕をほどいて、ちょっと恥ずかしそうによいしょと起き上がる結弦くんにつられて、私も慌てて起き上がる。
「ごめん、寝ちゃった。今、何時？」
「今１２時。ちょうど昼」
「うわごめん。一時間も寝てたんだ私」
情緒不安定になって泣き出したうえ、ぐーすか寝たことが急に恥ずかしくなる。
「あの、ごめん。なんか急に泣いたりして。しかもついでに寝て。なんか…どうかしてたかも」
そう言ってチラリと横目で結弦くんを見ると…。
げ。結弦くんのジャージの胸元が広範囲にぐっちょり濡れている。
多分、いや絶対全部私の涙やら鼻水やらｅｔｃ…！？
「あの〜、ごめんそれ。結弦くんの服、汚しちゃった…」
いたたまれずに自己申告すると、結弦くんはジャージの胸元をつまんで笑った。
「あぁこれ？確かに涙と鼻水すんげー出てた。ついでにヨダレも」
「ひ、ひどい！女の子にそれはひどいよ？減点１！」
もう恥ずかしくて穴があったら入りたい。
「減点１って…。別に涙と鼻水なんてスケーターにはつきものだから何でもねーけど。あ、でもさすがにヨダレはないか」
「うっ…ごめんなさい」
「つーかさ、何で自分がされたことはそっちのけで俺の心配すんの？」
「だって結弦くんの高級ジャージが…！」
「優しいよな、Aさんはほんとに」
「普通だよ…」
「俺、誰に対しても簡単に優しく出来んのに、」
結弦くんは悔しそうな顔をする。
「Aさんにだけは、なんでかちゃんと優しくしてやれない。泣かせたくないのにいつも泣かせるし」
「確かに…手厳しいとこあるよね。責め口調で乱暴なとこもあるし」
「そういうところが嫌いってさっき言われた」
「だって！時々怖いよ？私、蛇に睨まれた蛙みたいになるもん」
笑って冗談にしてあげたかったけど、
自分が情けない、そんな顔をして結弦くんはうつむいた。
LESSON３―��減点２→←LESSON３―��時は満ちた
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らっき(プロフ) - ハルナさん» いつもありがとうございます(^^)注釈付きってどんなだかドキドキしてますが、雰囲気も楽しんできます！ボアブルゾン買ってないから浮かないか心配ですが、精一杯応援してきます。 (2023年2月23日 6時) (
レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
ハルナ(プロフ) - いつも、更新楽しみにしています(^^)GIFT！！！楽しんで♡ (2023年2月22日 23時) (レス) id: d0ddbcd444 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - エミルさん» こんな展開お好きでしたか！笑 ありがとうございます( ；∀；)そうそう長くはしないので主人公を許してやって下さい。登場人物たちのこれからをもしよかったら追ってみて下さい(^-^)/コメントありがとうございました(*^^*) (2023年2月4日 5時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - ハルナさん» 主人公ウジウジしてますが嫌わないでやって下さい（笑）好きな人と自分に合う人って違う場合があるなーなんて。ダメダメ、羽生さんを幸せにしないと！いつもありがとうございます(*^^*) (2023年2月4日 5時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - こういう展開、わりと好きです(笑)この後、結弦くんがどうでるのか？ヒロインの気持ちがどう変わるのか？楽しみにしていますね。 (2023年2月3日 22時) (レス) @page42 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らっき | 作成日時：2022年10月26日 14時
