大丈夫じゃない ページ40
「坂本くんは私のこと何とも思ってないし、第一そんなことする子じゃないよ」
「なんでそんな事がわかんの?大体さぁ、男が1人で女の人の家に行って料理するなんて、普通そんなことしねぇから。受け入れるってことは何かあっても文句言えないよ?何かあってもいいなら別にいいけど」
「坂本くんは3年も一緒に仕事してきた仲間だよ?とってもいい子だし。だからそんなことしないし、そんな風にならない」
彼女が悔しそうに言い返してくるのに、俺は素直に煽られる。
「Aさんがそう言うなら俺はもう何も言えない。でもどんなにいい奴でも男の考えることなんて皆一緒だから。これだけは言っとくけど」
「結弦くんみたいな人でも?」
そうだよ。俺はさっきまでAさんのスーツ姿にやられてた。
「Aさんが俺のこと、どんな人と思ってるか知らないけど、さっきみたいに無防備に寝てると危ないかもね」
わざと冷たく言い放つ。
「なんか感じ悪いよ、結弦くん」
それきり、Aさんは黙ってしまった。
【主人公】
坂本くんを家に呼ぶことを話したら、結弦くんにめちゃくちゃに言われた。
自分でも思ってた痛いところを突かれて、カッとなって険悪になってしまった。
あの後、一言も口を利かずに練習を終えた結弦くんは、怒った様子ではあるものの、きちんと私を家まで送ってくれている。
すごく怒ってたけど、そんなに悪いことをしたのだろうか。
結弦くんには関係ないことだし、坂本くんを悪く言われたようで、いくら私が結弦くんに恋をしていても、バカにされたようで嫌だった。
「ここでいい?」
「うん。送ってくれてありがと」
「どういたしまして」
「あのさ…結弦くん」
「何?」
「最近結弦くん、イライラしてる?私、練習の邪魔になってるなら謝るよ」
「別にそんなんじゃない」
「本当に大丈夫?」
結弦くんの顔を覗き込む。
結弦くんが私を見つめ返す。
月明りに照らされた結弦くんの顔とその陰影がとても美しくて見とれてしまう。
顔と顔が、近い。
「大丈夫じゃない。Aさんと出会ってから、Aさんと会っている時も、本当はもうずっと俺、全然大丈夫じゃない」
「結弦くん?」
「今日はちょっと言い過ぎた。ごめん。おやすみ」
結弦くんは少しだけ笑ってそう言うと、私を車から降ろして走り去っていった。
152人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!読者さんでしたか!嬉しい……(T_T)ありがとうございます!私ももっと萌えを入れたいんですけどね……(^^;頭が硬いせいか、理想とはかけ離れてしまってます(/Д`;新シーズン、どんな羽生結弦が見られるのか楽しみですね(^_^)♪ (2021年7月14日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - 優里奈さん» 優里奈さんのお話、お気に入り登録させていただいてずっと読んでますよ(*^^*)私は逆にスケートの試合模様とかそういうのが書けません( ;∀;)萌えを追いかけるしかない状況です。笑 羽生さんにハマると沼ですよね!笑 こちらこそ更新楽しみにしております(^-^) (2021年7月14日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - ワールド2021で羽生くんにハマった者です(^ ^)素敵なお話ありがとうございます(*´`)私も羽生くんのお話書いてるけど、片想いの様子?気持ちの表現?が上手く書けなくて(;∀;)らっきさんのようにドキドキするお話が書きたい!と思ってます(*^^*)更新楽しみにしてます♪ (2021年7月14日 20時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - だんごさん» はっ!ごめんなさい。返信からではなく普通にコメントで打ってしまいました。返信は↓です。 (2021年7月13日 17時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - えっ!ほんとですか?とってもとっても嬉しいです!星が欠けてるから、つまらないんだと思ってたので、ほんとに嬉しい!ありがとうこざいます( ;∀;) (2021年7月13日 14時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らっき | 作成日時:2021年7月6日 14時