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バンドのみんなとも分かれていつもの夜道を大我さんと歩く
『それで樹さんが うえ! って咳き込んじゃって』
「きたねえなあ」
『ほんとなんですよ カルビが あっ』
転びかけてよろけると
大我さんが支えてくれた
「いつも危なっかしい」
『そうですか?』
「会った時からずっとフラフラしてたね ずっと危なっかしくて 俺いなかったらどうなってたんだろうね」
『想像つかないですね』
「意外としぶとく生きてたりして」
他愛もない話をしながら玄関につく
大我さんはポストをカチャって開くと「なんだこれ」って何かを引っ張り出した
手には緑の封筒で、不審そうな顔をすると「Aの名前だけど」って私の手に置いた
私その封筒 知ってる
嫌な予感が通り過ぎて 恐る恐る開く
" お元気ですか。Aさんのお家に伺ったら誰も居らず、少し調べさせてもらいました。こちらで何年かは面倒を見ますから10月までに荷物を持っていらっしゃい。来なければどうなるか分かっていますよね?"
最後には、小さい頃から大嫌いだった親戚の名前と丁寧に住所まで書いてある
調べる?なにを どこまで?
行かなきゃいけないの?
持つ手が震えて 手紙を落とすと
大我さんが拾って目を向けると そっか ってひとこと
つかの間の幸せは あと1週間と少ししか残されていなかった
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作者名:はむ | 作成日時:2022年8月14日 2時