満月の夜に乾いたギターを２【完結】 (ページ6)

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今日は大我さんのライブに行ったあと
久しぶりにバンドに混ぜてもらって焼肉に来た

大我さんの向かい側に座ろうとすると

「こっち座って」

腕をひっぱられて大我さんの隣の端っこの席に座らされた

『あはい』

「またどっか行っちゃいそうだからねあの北斗とかいう人のとこ」

『別にそういう仲じゃないんだけどな』

「あそ」

みんなはわいわい話してるけど
大我さんはあんまり話に入らず
それに自分はあんまり食べずに
ずっとお肉を焼いている

「成長期でしょ」

なんてひょいひょいって大我さんはお皿にお肉を乗っけて
私が食べるのをずーっと横でじっと見ている

慎「きょもいっつも焼いてもらってるイメージしかないからビビる」

高「ここだけ親子みてえ」

北「違えよ主従関係やってるんでしょ」

『美味しいね大我さん』って隣の大我さんに言うと
大我さんはにこって笑って「楽しそ」ってほっぺを握った

「なんか仲良くなってない？俺も混ぜて〜」って樹さんが言うと

大我さんは「まあこれでも毎日一緒にいるから」なんて

『大我さんも食べてよ』

「いいよ俺は Aが食ってるの見てるだけでおなかいっぱい」

『ええなんで美味しいですよほら』

「脂がダメなの最近おじさんだから」

『大我おじさんだ』

北斗さんがぶって吹き出してみんなも「おじさんだ〜」って笑い出す

「家から追い出すよマジで」

ぷんぷんしてる大我さんに「昔はもっと食えたんだけどね」って高地さんが笑う

そのとき
酔っ払ってるジェシーさんが「そんな一緒にいたらやっぱり好きになったりしないの？」って声を上げたんだ

さっきまでワイワイしてたテーブルが一気に静かになる

どうする？大我さん
ちらって横を見ると

大我さんは

「別にそういうの無いから」

って一気にお酒を飲み干した

たまに本心なのか隠してんのか
大我さんの気持ちはやっぱり分からなくなる時がある
あるよって言ってほしかったわけじゃないけどね