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目が覚めると
大我さんは横にいなくて
ぼんやりしてる目できょろきょろすると
リビングの端っこのソファにぽつんと座っていた
『大我さんおはよう』
「ごめん おはよ」
多分 最後のおはようだ
なんの ごめん なんだろう
『大我さん』
「ん?」
『大我さんは止めないの?私が行くの』
「止めないよ」
『そっか』
後ろめたさとか いろいろ
ぽつり ぽつりとした会話
顔洗ったり準備を済ませると
「じゃ そろそろ行こっか」
大我さんは私の荷物を持って玄関に立った
『ほんとに止めないんですね』
「A 泣いてんの?」
ほっぺを手で包まれる
『うん 大我さんと過ごせて幸せだったなって 誰よりも感謝してる 短い間だったけど短い人生の中で1番幸せだったよ』
「俺も」
『ん?』
「1番大事にしたい人がそばにいてくれてよかった Aのことね」
そんな言い方 ずるいよ
なんで大我さんもちょっと泣いてるの
それでも私たちの会話は全部過去形で
それでも見慣れた玄関のドアを閉めて
知らない一歩を踏み出すことになるんだ
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作者名:はむ | 作成日時:2022年8月14日 2時