満月の夜に乾いたギターを２【完結】 (ページ17)

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ついこの間から
親戚の叔母さんはずっとピリピリしている

お金のことにトラブったのか
電話が鳴り止まないことが多くある

『あのご飯作ったんですけど』

「うるさいわね置いておいて食べるか知らないけど」

大我さんならうま！って食べてくれるのにな

『私出てっちゃダメですかそろそろ限界です』

「何を言ってるの？ダメに決まっているでしょう」

ずっとこんな調子

邪魔なら解放してくれればいいのにな

なんでだろう

そんな疑問は

ふと思い出して銀行に足を運んだ時

偶然にもすぐに解決することになる

遺産の入ってる口座の桁数ががくんと落ちていて

慌てて記帳をすれば

減り始めたのは10月の終わり

馬鹿みたいに合点がいった

結局お金なのか

逃げなきゃなって直感的に思って
一旦家に帰るけど

『あの叔母さん』

「何？今忙しいの」

『私家から出ます』

「…」

最近は

無視されることも多い

いないことにされるのが 1番辛い

人から大事にされないのってこんなに辛いんだな