8話 ページ9
You,side
ーーーおい!防護服くらい着ろよ!
ーーー大丈夫。俺は失敗しないから。
ーーーふざけんな!勝手に死にやがって!
この声....
降谷「おい...!A...!」
「っ!」
降谷「大丈夫か?うなされてたけど。」
「ああ、大丈夫だ。」
諸伏「珍しいな、Aが授業中に寝るなんて。」
そうだ、あの日、
俺が死んだ日。
俺は防護服を着ていなかった。
これくらいの爆弾なら解除出来る。
俺はそう思っていた。
死んで当然だったんだ。
昨日の取引は何事もなく終わり、俺が銃を撃つことも無かった。
そして、俺たちの日々は、確実に進んでいた。
高校卒業まで、あと少しまで迫っていた。
降谷と別れ、1人歩いていると、
pruuuuuuuu
(非通知?)
「はい。」
『今日で丁度12年。もう慣れた頃だろう?』
「誰だ!」
『君に1つ忠告をしておこうと思ってね。』
『成瀬Aくん。』
「...っ!」
『君がもし、彼らを救うのならばーーー』
『君が元いた世界は消滅する。』
「...は?」
『つまり、君が名探偵コナンの話を変え、死ぬはずの人間を救うと、時間軸が狂い、君が元々いた世界は消滅する。』
『元々いた世界には、君の家族や友人、仲間達もいる。』
『消滅するということは、その人達も消えることになる。』
「ふざけんな!」
『君はどっちを選ぶ?』
『ゆっくり、といってもそんなに時間は無いが、選ぶと良い。』
『じゃあ、また。』
「おい!!」
その頃には、もう電話は切れていた。
消滅....?
そこにいる人間も?
なら、そいつらの夢はどうなる?
俺が動くことで、そいつらの過去や未来が消える。
そんなこと、出来るわけーーー
でも、それをしないと、あいつらだって死ぬことになる。
どっちを選ぶなんて、出来るはず無いのに....!
俺は、その日からずっと考えた。
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作者名:Autumn | 作成日時:2019年6月25日 17時