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7話 ページ8

「ええ。」




『すみません、社長。そろそろお時間が。』




染谷の秘書が小声で言う。




『分かった。』




『すみません、そろそろ失礼させていただきます。』




『これ、良かったら。』




染谷はそう言って、自分の名刺を俺に手渡した。




「ありがとうございます。」




『では。』




「ええ。」




秘書が言った時間というのは、恐らく取引の時間だろう。




俺はインカムで指示を出す。




「そろそろ時間だ。各自厳戒態勢でかかれ。」




「「はい!」」




俺はそう言うと、飲みかけのシャンパンを机に置き、染谷の後をつけた。




染谷の盗聴器から聞こえてくる音に耳を傾ける。




『金の用意はできてるな?』




『はい。こちらです。』




染谷は秘書から金の入ったアタッシュケースを受け取り、屋上に向かった。




まだ取引相手は着いていないようだった。




今日はあくまで染谷の確保だ。




取引相手が居なくなってから確保する。




『金は持ってきたか?』




『あぁ、ここにある。早くそっちのモノを渡せ!』




『まず金が先だ。』




男がそう言うと、染谷はアタッシュケースを男の前に置いた。




別の男が中身を確認する。




『はいよ。』




確認し終えた後、男は染谷にバッグを渡した。




中身は恐らくクスリだろう。




この一連は、部下が録音録画している。




証拠は取れた。





『じゃあ、また頼みますよ。』




数分経ち、男が居なくなったのを確認する。




染谷達はまだ屋上だ。




今だ。




「行け!確保!」




俺の指示を合図に、一斉に染谷の動きを封じる。




『おいっ!なんだ!』




「19時1分、現行犯逮捕だ。」




『っ!お前!』




「先程はありがとうございました。」




『っ!』




染谷が受け取った鞄からは、覚醒剤が出てきた。




「ほら、行くぞ。」




部下達が染谷を連行する。




明日は珍しい非番だ。




家でも見に行こう、ホテル暮らしずっとは怪しまれる。




そんなことを考えながら、ホテルを後にした。









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作者名:Autumn | 作成日時:2019年6月23日 16時

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