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28話 ページ30

燈谷side









『言わねぇよ、』









その言葉が、ジンの逆鱗に触れたようだった。









バンッ!









ジンは、男の右脚に発砲した。









『...っ!』









あまりの痛みに立っていられなくなったのか、


膝立ちになる男。









ジン「他の鼠を吐け」









頑なに口を割らない男に、ジンの沸点は達しているようだった。









pruuuuuuuu









ジンの携帯にベルモットから着信があった。









ジン「チッ、」









ジン「しょうがねぇ、すぐ行く。」









ジン「モヒート、こいつを...」









「分かってる、」









ジン「ふっ、頼んだぞ。行くぞ、ウォッカ。」









ウォッカ「へい。」









2人の足音が聞こえなくなったのを確認し、


俺は男の眉間に拳銃を突きつけた。









「こうなることは、分かってたよな?」









YESと答えるように、男はゆっくり瞬きをした。









この世界に来てから、俺の善心は腐りきっている。









何も感じない。









いや、感じ過ぎている。









わからない。









人を殺めて何も感じない人間にはなるな。









耳にタコができるほど聞いた言葉だ。









俺は、それに背いた。









「アイリッシュ」









こいつのコードネームだ。









「名前は?」









「偽名でいい。」









戸惑いながらも、口を開いた。









『...大日方淕』









おびなたりく。









此奴はそう名乗った。









年はまだ20代半ば位だろう。









かなり整った顔立ちだ。









「所属は?」









『テメェに言う義理はねぇ。』









挑発的な目で見上げてくる淕。









「はっ、言う通りだ。」









「だがな、こうなったら以上言うしかねぇんだよ。」









俺は淕の顎を掴み、無理矢理上を向かせた。









俗に言う顎クイ状態。









「意地でも吐かねぇんなら、これを使うまでだが?」









俺が持っているのは、去り際にジンに渡された自白剤。









『...っ!』









やめろ俺。









此奴を逃がしたい。









だが、身体が言うことを聞かない。









この世界に染まりきってやがる。









「自分から言うんなら、これは使わないで済む。」









「それに、他の鼠は見逃そう。」









『...は?』









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作者名:Autumn | 作成日時:2019年5月29日 20時

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