【wrwrd】自由になれるものならば (ページ6)

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5話　-ut side- ページ6

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しばらく彼女を観察しとると、新たに店に入ってきた男たちに絡まれとる。

男「昼間のガキやないか」

店の中は賑わっとったが、男の声も負けじと大きかったため聞こえた。なんとなく察する。彼女は昼間、あの男から逃げとったんやな。

彼女の声はあまり大きくなく、男の声だけが聞こえてくる。

「あん時はよう恥かかせてくれたなぁ。どう落とし前つけてくれるん？」
「ほう。俺が勝ったら？」
「ええやん、受けて立つわ」

他の客も男の声が気になったんか、店内が少し静かになる。
雰囲気的になにか勝負でもするんやろか。彼女と男が隣の座敷に移動してくる。席の間に仕切りがないからよう見えるし、よう聞こえるようになった。

彼女らの周りにはそのやり取りに興味を持った人たちが集まり、賭けみたいなゲスい会話をしとる。

男「種類は･･･焼酎やな。芋でも麦でもそこはテキトーでええわ」

『割り方はロックで』

は？今なんて言ったん？
会話の流れから酒飲みの勝負なんは理解したけど、ロックって正気なんか。
馬鹿にしてるわけやないけど、あんまり飲めるようには見えへん。

rbr「てか、成人してたんか」

ほんまそれ。大丈夫なんやろか。心配したってしゃあないけど、心配せずにはいられへん。
オレやゾム、トントンは正面からその光景が見えるが、シャオロンやショッピくんたちは背中側やからチラチラと後ろを様子見しとる。

syp「大丈夫なんすかね」

オレも彼女が勝てるとはあまり思てへんけど、仲裁に入ったり口出しするんは御門違いやから見守ることしかできひん。

ｶﾁﾝと軽快な音が響いた後、彼女らはグラスを傾け始めた。