【wrwrd】自由になれるものならば (ページ40)

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39話ページ40

仕事に向かうみんなを順々に見送る時、

ut「ほんまに2人で大丈夫？」

tn「なんかあったらすぐに逃げるんやで」

syp「万が一の為に、防犯ブザー持ったほうがええんちゃう？」

ちょっと物騒なことを口にして、渋々ながら行ってきます、と出て行く。
なんかあったらって何もないでしょ。この歳になって何を心配されてるんだろうか。
そもそも友達？であるシャオロンさんを疑うのはいかがなものかと半ば呆れつつ、最後の1人を見送り終え、出かける準備に取り掛かる。

.

『よしっ、これでいいのでは･･･』

キャップを被ってあまり顔が見えないにしろ、出掛ける時にはやっぱり気合が入ってしまうもので。
準備が終わる頃にはいい時間になっていた。

sha「Aー、そろそろ行くでー？」

いいタイミングでシャオロンさんの声が聞こえた。

『今行きまーす！』

鏡を見て最終確認。キャップを被り、リビングに向かう。

『お待たせしました』

こちらを向いたシャオロンさんは一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐにニコッと笑った。

sha「大丈夫やで。じゃあ、行こか」

家を出て向かった先は、駅前だ。私の地元より栄えているため平日なのにそこそこ人が多い。
その人の多さに、内心少しドキドキしている。私のことを知っている人はいないと分かりつつも、警戒せずにはいられないのだ。

目的もなく、本当にただのお出かけのようで適当なお店に入ってウィンドウショッピングを楽しむ。
シャオロンさんが星形のサングラスを手に取り、大先生がかけたら面白そうとか、メンズの大きめのTシャツを見て、ロボロだったら膝上5cmのワンピースになりそうなどと話しながら。

ふと、雑貨屋である物が目に止まる。ニコちゃんマークの缶バッチだ。
そういえばシャオロンさん、いつもニット帽にブタさんの缶バッチ付けてるな。
ニコちゃんも似合いそうだな、と何気なく手に取りレジに持って行く。

買ったはいいけど、いつ渡そう。それより子供っぽかったかな、と買ってから色々と心配になってくる。
買ったのがバレないようにそっと鞄に仕舞う。