【wrwrd】自由になれるものならば (ページ31)

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30話ページ31

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ci「Aちゃん、何か食べたいもんある？」

人の多い方へと歩いていたら、突然聞かれた。決めてなかったんだ、と心の中でツッコむ。
何がいいかな、と色んな食べ物を頭の中で思い浮かべると、ある食べ物が脳内に留まる。

『お好み焼き、が食べたいです』

ci「いいやん！それ聞いたら、俺も急にお好み焼き食べたなってきたわ」

口がうまいなぁ。
地元なだけあって行きつけの店があるのか、美味しい店を知っているのか、こっち、と道案内をしてくれる。

お店に着き入ると、店内は半個室のようになっていた。必然的にチーノさんと対面で席に着く。
自分たちで焼くシステムのようで目の前には大きめの鉄板がある。
適当に2つほど注文し、しばらくすると席に届けられた。俺やるで、と言って鉄板に丸く生地を広げていく。片面焼くまで時間がかかるようだ。

ci「焼けるまでAちゃんに質問してええ？俺あんましAちゃんのこと知らんからさ」

『いいですよ？』

ci「一つ目は、好きな食べ物と嫌いな食べ物は？」

どんな質問がくるのか身構えていたが、その必要はないぐらい可愛らしいものだった。
なんなら合コンみたいだな、って思ったのは言わないでおこう。

『好きな食べ物は海鮮類で、嫌いな食べ物は･･････パッとは思いつかないですね』

ci「なるほどなぁ」

そういうチーノさんは？と聞き返す。

ci「俺は、好きな食べもんは卵料理で、嫌いな食べもんは特にあらへんかなぁ」

ちなみにゾムさんとシャオロンさんはトマト好きじゃないで、と追加情報までくれた。
みんなでご飯とか言ってるから、きっと彼らの中では共通認識なんだろう。こういった話からでも彼らの仲の良さが窺える。
実際、そういう情報は今後の食事作りの役に立つから正直ありがたい。

ci「そろそろ焼けたやろ」

両手にコテを持ち、鉄板とお好み焼きの間に差し入れる。少し持ち上げて、綺麗に反転して鉄板に落ちる。

『おぉ〜！！』

思わずそのスマートなコテさばきに感嘆が漏れ、拍手をする。
どう？上手いやろ？とチーノさんも満足そうな顔をしている。