【wrwrd】自由になれるものならば (ページ4)

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3話ページ4

『私とあなたでお酒の飲み勝負しません？私が勝ったら昼間のことはチャラにしてください』

男「ほう。俺が勝ったら？」

『あなたが勝ったら･･･

私があなたの言う事に従います。それでどうでしょう？』

自分でもバカな提案だと思ってる。相手がどのくらい飲めるのか知らないのに。でもそれは相手も同じこと。

男は少し考えた様子の後、ニヤッとゲスい笑みを浮かべ「ええやん、受けて立つわ」と答えた。
交渉成立だ。

男「ねぇちゃん、そっちの座敷使ってええ？」

店員さんに尋ねる。「ええけど･･･」と店員さんが答える間も無く、座敷のほうに腕を引っ張られ連れて行かれる。もう少し優しくしてほしいものだ。

面白がってか私たちの周りに少しだけギャラリーが出来ている。「どっちが勝つと思う？俺は男のほうに一票！」「俺は嬢ちゃんに賭けるわ」なんて声も聞こえてくる。

(見せ物じゃないんだけど)

そんな事思ったって仕方ないわけで、今は目の前の勝負に勝たなくては私の今後の人生が危ういかもしれない。
ルールは同じお酒の種類、割り方で相手と同じペースで飲むこと。相手のペースに大幅に遅れたり、吐いたりしたら負けとなる。

お酒の種類は相手が、割り方は私が決める事になった。

男「種類は･･･焼酎やな。芋でも麦でもそこはテキトーでええわ」

焼酎かぁ･･･。水や炭酸で割ったらお腹が膨れて量が飲めなくなってしまう。そうなったら＿＿＿＿＿＿

『割り方はロックで』

周りがざわめく。大丈夫なんか、とか勝負あったな、とか。
一杯ずつお酒を注文すると、すぐに届いた。ついに始まる。

乾杯の音頭で勝負開始だ。

男「ほな、乾杯」

ｶﾁﾝとお互いのグラスを鳴らし、お酒を喉に流し込む。実はと言うと、あまり焼酎は得意ではない。それでもロックを選んだのは一種の賭けだ。今回はチビチビ飲むわけではないから、一気に酔いがきやすいはず。相手が先に酔いが回ってくれれば、と願うばかりだ。