【wrwrd】自由になれるものならば (ページ17)

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16話ページ17

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『家事とかさせてください･･･！』

鬱先生に懇願する。
泊めてもらうのにお金はいらない、と言われたが私的にはそういう訳にもいかない。
ならせめて、掃除や食事を作るなどの家事をさせてくれないかと思い、今こうして交渉しているのだ。
リビングで話しているため、みんなの視線が集中しているが今は気にしてはいられない。

「うーん･･･」と考える素振りを見せる鬱先生。
『ただ泊めてもらうのは申し訳ないので』と念を押す。

ut「そこまで言うんやったらお願いしようかなぁ」

『...！ありがとうございます』

ut「必要なもんとかあったら遠慮なく言うて？できる限り揃えるから」

『はい』

よし！そうと決まれば食材や調理器具の確認をしなくては。
キッチンに行き、冷蔵庫や引き出しなどを開ける。漁ってるようで罪悪感が芽生えるけど...。

冷蔵庫はお酒と調味料が入ってるぐらいで食材はほぼと言っていいほどない。
調理器具は揃ってはいるものの、一度も使ってないのではと言うぐらいピカピカだ。
失礼かも知れないが、どうやって生活してきたのだろうと言いたくなる。私の住んでいる地域ではあまり発展していないが、配達や外食がメインなのだろう。

『鬱先生。今日の夕飯の買い物に行きたいのですが...。スーパーの場所など教えていただけませんか？』

ut「今日から作ってくれるん？一緒に行きたいのは山々なんやけど、オレちょっとやることあって。誰が一緒に行ってくれへん？」

zm「俺が行きますわ」

ut「ほんま？助かるわ。じゃあ、Aちゃんにはこれ」

そう言って鬱先生から受け取ったのは、この部屋の合鍵であろう物。

ut「これからなにかと必要になると思うから、今のうちに渡しとくわ」

『いいんですか？』なんて聞くのは野暮だと思い、素直に受け取る。
私が言うのもなんだが、こんなに警戒心がなくて大丈夫なんだろうか。騙されやすそう、なんて余計な心配をする。

zm「ほな、行きますか」

『はい』

ゾムさんの後をついていくように家を出る。