【wrwrd】自由になれるものならば (ページ14)

今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:24,513 hit

13話ページ14

.

一通り部屋の中を見て回る。ベッドにデーブル、椅子、テレビ、そしてクローゼットが設置されている。クローゼットに洋服を仕舞おうかと思ったが、何かあった時のためにキャリーバッグに入れたままにしておいた。

リビングに行こうと客室を出ようとして、ふとキャップを被ったままだということに気付いた。さすがに外そう、とテーブルの上にキャップを置き部屋を出てリビングに向かう。

ドアを開けるとみんな一斉にこちらを向き、視線が私に集中する。そんなに見なくてもいいじゃん...。

ut「荷物の整理は終わった？」

『はい、お陰様で』

「じゃあ･･･」と言って言葉を溜める鬱先生。何を言い出すんだろう。

ut「まだ時間も早いし、Aちゃんの歓迎会も兼ねて飲み直すとしますか！」

えっと･･･何を言ってるんだこの人は。たしかにまだ日付は変わっていないが、お店でけっこう飲んでたんじゃないんですか。

sha「ええやん！」

いいの？！
すでにみんなはこの家の食器がどこに置いてあるかわかるかのように、飲む準備を始める。

ut「もちろん、Aちゃんも飲むやろ？」

この流れで断る勇気と薄情さは生憎、今の私には持ち合わせていないので、いただきます、と素直に答える。
鬱先生の家にはいろんな種類のお酒が置いてあった。ビールに焼酎、日本酒......他にも色々。その中でも私は梅酒を選びグラスに氷を入れ、お酒を注ぐ。

ut「それでは改めまして、新たな仲間に祝して＿＿＿＿＿」

「「乾杯！！」」

みんなが揃ったところで鬱先生の乾杯の音頭とともにグラスを鳴らす。
みんなの楽しそうな会話を聞きながら、悪酔いしないようにチビチビとお酒を飲む。

正直泊めてもらえるだけでもありがたいのに、こんなに歓迎ムードというかオープンに飲み会までしてもらえるとは思ってもいなかったから驚いている。
歓迎会という名目で飲みたいだけかもしれないが。それでも嬉しいと思わずにはいられないのだ。

こんな人数で飲んだりしたのはいつぶりだろうか＿＿＿＿＿