Kenchi ページ42
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Aさん、と言い直した今市。
2人が親しくなったのはバレバレで
それは将吉も分かったみたいだった。
「そっか、じゃあ頼むわ」
「将吉さん…」
申し訳なさそうに、突っ立ったまま俯く今市。
これは今市のせいじゃないとはいえ
将吉が憐れで仕方なかった。
「ほんと、すみませんでした。
Aさんが1人で飲んでたらどうしようと思って
でも俺広臣くんの番号とか知らないし…ってこんなの言い訳ですよね」
「…謝るなよ。今市は何も悪くないじゃん」
将吉のどこまでも優しすぎる性格
いいコトだけど、恋愛においては押すのも必要なんじゃないかなって思ってしまう。
好きなんだったら、狙えよといえばいいだけだけど
将吉なりに考えてる事があるのかも。
「あ、この事は3人の秘密で」
「この事って?」
「Aちゃんが、間違えて臣じゃなくて今市呼んじゃったことっす」
「わかった」
今市は終始申し訳なさそうにしながら
将吉の言葉に頷き、Aちゃんを送っていった。
またカラオケいこ〜と笑顔でいう将吉。
…すげぇー根性。
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作者名:あき x他1人 | 作成日時:2019年12月28日 23時