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今市さんが連れて来てくれたのは
とてもいい雰囲気のお店。
静かな店内には他に数人しかいなくて、
BGMもちょうどいい大きさ。
「ここ俺の知り合いの店で
すっごい美味しいお酒があるんだ」
「そうなんですか!」
「何にする?」
「じゃあ…すこし強めのオススメで」
かしこまりました、とバーテンダーの人が作り始めるのを何気なく見た。
「…話してくれるんでしょ?」
「あ、お願いします」
「あはは、俺が聞いた方なのに」
「私の片想いの相手は、アパレル店員なんです」
直人さんのお店が小さい頃から知っていて、
開店の時からいきつけだった。
行けばそこには彼がいて、
笑顔で駆け寄って来てくれる。
『Aちゃん!!』
って叫んで、キラキラな笑顔を見せてくれる。
それは今も変わらないんだけど…
「この間 女の人と歩いてるのを見かけて」
それを見たのは、1週間ほど前。
1人ショッピングを楽しんでて
後ろをきゃっきゃってカップルが通って、
その1人の声が直人さんそっくりだったから思わず振り向いたんだ。
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作者名:あき x他1人 | 作成日時:2019年12月28日 23時