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レジで服を買い終わると、
トコトコと可愛らしく歩み寄ってきた直人さん。
ニコニコ笑顔の手には、お店の袋が。
「はい。これは俺からのプレゼント!
受け取ってね?きっとこのドレスに似合うから」
「え!?ありがとうございますっ」
嬉しい反面、ぎゅっと掴まれる胸。
…いたい、
直人さんの気持ちが分かったみたい。
これが彼の気持ちなんだろうけど、
やっぱりそうだよね。
「で、直人さんからAちゃんに提案!」
「?」
「俺もう帰ろうと思ってたんだけど、Aちゃん泣きそうな顔してるから一緒に飯いこ?」
ほら、あなたは優しい。
けど気づいてないんだね、泣きそうな理由。
「行きたい、です」
「よし、じゃあ行こ?
俺きょう車だからちょっと待っててね!」
「…はいっ」
私の買い物袋を持った彼は、駐車場へと去っていった。
どこまでも優しい彼の言動は
ただ わたしの胸を痛めつけるだけだった。
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作者名:あき x他1人 | 作成日時:2019年12月28日 23時