年越し2 ページ9
しばらくしたあと、
Aさんの課題が終わります。
「やっと終わったーーー！」
「卒論終わったーーー！」
「「イェーイ！」」
パチンッ
勉強のしすぎでテンションがおかしくなったのか
2人でハイタッチをして手を組み踊りだします。
「…北斗、こんな事するんだね笑」
「僕が1番自分に驚いてるよ笑」
「なにそれ笑笑」
そして散らかった教科書やワークを綺麗に片付けて
2人で年越しの準備をします。
「前はどんな感じで年越ししたっけ？」
「毛布にくるまって、
北斗がお菓子とかジュース持ってきてくれた！」
「僕はクラッカーした時が1番覚えてる笑」
「そーなの？」
「Aがいなかったら今頃どうなってたかなって」
「Aがいたから楽しめたなってその時思った」
「ふふ、うれしい」
「私は北斗にとって必要不可欠なんだ〜」
嬉しそうに言う。
「当たり前」
そして前と変わらず、
二人は毛布にくるまって年越しの番組を観ます。
「もう今年終わっちゃうのか〜」
「ほんとうにあっという間だ」
「去年よりも早く感じたし」
「なかなか会えなかったのもあるだろうね」
「…さびしかった、」
「僕もだよ」
「もっと好きになったし、もっと大切にしたくなった」
「ほんと？笑」
「うん、なによりAと会うとパワーをもらえる」
あなたは北斗の肩に頭を乗せます。
「来年もまたこうしていられますように」
「もちろん」
君の頭にコツンと頭を寄せた。
生放送中のテレビから聞こえる年越しのカウント
「皆さん！準備はいいですか？！」
気合いの入ったアナウンサーさんの声。
5
4
3
2
1
騒がしいテレビの音。
窓を見ると、いつもより夜景が綺麗だった。
チッ、チッ、と時計の音が響く。
「明けちゃったね、」
と、君が僕の方を見て言う。
僕はそのままAを見つめ続け
「愛してるよ、A」
とだけ言って僕は今までにないくらい
熱く、深く、キスをした。
…
「…私の方が愛してる」
「いや、僕の方が愛してる」
「私の方が愛してる！」
2人の掛け合いはずっとずっと消えなかった。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
