年越し ページ8
時の流れは早いもので、
どんどん僕らを追い越していく。
気づけば蝉の声は聞こえなくなり、
紅葉で彩られた木は枯れ木へと変わる。
今日で1年は終わってしまうらしい。
夏は一緒に海に行き、
秋は共に喫茶店で過ごした。
冬は年越しをする。それは今日、叶える。
君がしたかったことを全部叶えてげたい。
「ねぇ北斗ー！たすけて！」
「この問題わかんない！」
カウンターに座ってる君が僕を呼び出す。
「まって、そっち行くから」
「もおーー！無理！できない！イライラする！」
「どれどれ、見せて」
君の頭をポンポンしながら問題を見る。
「あー、、」
そしてシャーペンをスラスラと動かし始めた。
「…〜だから、ここはaを…」
「…聞いてる？笑」
「え？！あ、うん！もちろん！」
「僕の顔ばっかり見てたけど笑」
「い、いや？！そんなことない」
「真面目に聞かない人にはお仕置になるけど…」
「…えっ、、」
そして僕は君の顔に近づく。
目を強くつむる君。
「…ふっっ笑」
「キスすると思った？笑」
「だ、だって…」
顔を赤らめ恥ずかしがる。
「…かわい」
ご褒美をあげるようにキスをした。
「はい、ちゃんと問題解いてね」
「えーー」
そして今度は一生懸命問題を解くあなたを
愛おしそうに見つめます。
「試験まで、あと少し？」
「うん、」
「Aなら大丈夫」
「僕がいるから」
自分で「大丈夫」「できる」そう思っても
なかなか信じられない時もある。
でも、僕がいるから。
君は大丈夫だよ。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
