笑顔のために ページ7
大学生と高校生、意外と予定が合う時間が少なかった。
北斗が大学に行き始めてから
私は1人で学校に行っている。
時々寂しくなるけど、でも大丈夫。
合間を縫って喫茶店に来てくれるし、毎日電話してるし！
「はよ」
「おはよ」
「ふぁっーーー、」
「まじ眠い」
「また深夜までゲームしたの？笑」
「ちげーよ」
「勉強だわ」
樹は相変わらず、、、かと思いきや
なんかすごい勉強するようになってる。
「もうアイツ来ないの？」
「、、うん、大学行ってるからね」
「へー」
…
俺は夏祭り、、いや、それよりも前から
自分の気持ちの制御が効かなくかなっていた事がわかっていた。
奪いたいとも思った。
だけど俺が本当に望んでいることは
Aが笑顔でいられることだと気づいた。
…本当は、どうしようもなく好きだけど、
きっとこれから先も諦めきれないだろうけど、
でもAが笑顔でいられるならそれでいい、
それだけで充分だと思えるようになっていた。
だから俺は、
「俺は、」
「Aが笑顔になれるならなんだってするよ」
思わず口に出ていた。
でも本当にそう思うんだ。
「え？笑」
「なに急に笑」
「まあいいわ笑」
伝わらなくていい。
「なんかつらいことあったら俺に言って」
「…つらいことなくても、言って」
「すぐ駆けつけるから」
「…う、う、うん笑どうも笑」
「じゃあ、行くわ」
「うん、じゃあね」
足早に靴を履き替え階段をかけ上る。
前まではAが何を考えているのかすごく気になった。
俺に可能性があるのか、俺を考える余裕はあるのか、
でも今はそうは思わない。
自分の気持ちが伝わらなくても、
振り向かなくても、
頼れる存在でありたい。
俺はずっと気持ちを隠せばいいから。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
