夏祭り5 ページ5
「…あれか？」
「…ちがう」
「あいつじゃねーの？」
「似てるけど、ちがう」
「あーもうどこにいんだよ」
「…あ！！！」
あなたが指さす方向には
必死にあなたを探す北斗の姿が。
「北斗…！！」
「A…？！」
樹があなたを降ろした時、
北斗はすぐさまあなたを自分の元へ寄せ抱きしめます。
「…ごめん、遅くなって…」
「ううん、大丈夫だよ」
「樹が助けてくれたから…」
「あ、こんばんは。彼女置いてくおにーさん」
…
北斗は軽く会釈をします。
「…Aのこと、ありがとう」
「まあ、、大切な人なんで」
…
樹からなにか良くないものを察知する北斗。
「君はもう、ここまででいいよ」
「ここからは僕が一緒にいるから」
「…ほんとかよ」
「また置いてけぼりにでもしてくんじゃねーの？」
…俺の方がAのことよく知ってるんだよ
「…」
「Aの彼氏なんですよね？」
…俺の方がもっと笑顔にさせてやれる
「じゃあちゃんと離さないでください」
「大切にしてやってください」
…俺の方がもっと前から好きだったんだよ
樹は今まで見たことないくらい切ない目をしていました。
「…わかった、ごめん。そこまで考えさせて」
「…じゃあ、行こうか、A」
「う、うん…」
「ありがとうね、バイバイ、樹」
俺は返事をしなかった。
本当は引き止めたかった。強引にでも。
Aの手を掴んで、
「俺の方が大切にしてやれる」って。
…まあ、もう遅いけど…
地面にしゃがみ頭を抱えます。
「…はぁぁ…」
いつも意志と反してしまう自分の行動。
「なんでこんな上手くいかねーんだよ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
