夏祭り4-運命？- ページ4
友達に連れられてたまたまやって来た夏祭り。
こんな人混みの中俺にお使いさせんなよ…
半ギレ状態で人混みを歩く。
「…あれって、、」
俺は足を止める。
「あれって、Aか、、、？」
絶対、運命だと思った。
色んな方向から人が歩いてくる。
似たような浴衣のヤツもたくさんいる。
それなのに俺は、Aだけしか目に入らなかった。
…泣いてる、、？
俺は直ぐに駆けつける。
「おい、A？」
腕を掴む。
Aはゆっくりと顔を上げる。
「…じゅり、、？」
「…なんで…泣いてんだよ」
いつもと違う景色だからか、
いつもと違う格好だからか、
涙で溢れそうなその瞳のせいなのか、、、
俺の心臓はひっきりなしに音を立てた。
「な、な、なにしてんだよって聞いてんだよ」
小さな声でぼそっと呟きます。
「迷子…」
「あ”？」
「こんなうるさいんだから聞こえねーよ」
あなたは唇を噛み今にも溢れだしそうな涙をこらえ
「迷子になりましだっ！！！！」
精一杯の声を出します。
「うわっ…うるーせわ笑笑」
「そっちが聞こえないって言ったんじゃん、笑」
笑顔を見れてすこし安心した樹。
「で、なんで迷子なの？」
「北斗と来てたんだけど、
私が置き忘れた物取りに行ってくれてて、」
「ずっと、帰ってこなくて…」
「はぁ？」
「マジで言ってんの？」
「好きなやつ置いてくなんてバカじゃねーの？」
「あ、ちがうの…」
「私が足痛くなっちゃったから、、」
「いや、それならおぶってでも連れてくべきだろ」
「だから俺アイツ嫌いなんだよ」
…
「ん」
そして樹はしゃがんであなたに背中を向けます。
「…？」
「おんぶして一緒に探してやるって言ってんの」
「え、でも、、」
「ごちゃごちゃ言うな」
「こーいう時は黙って従えばいいんだよ」
「…ありがとう」
樹の背中はあたたかかった。
「小学生ぶりだ、樹の背中」
「…まじで重くなったなー」
「…は？」
「うそだよ笑」
「…ね」
「ん？」
「もしこのまま北斗と会えなかったらどうしよう」
「もしずっとこのままだったら…」
…
「俺はずっとこのままがいいけどな、」
「…え？」
「なんでもねーよ」
「心配すんな、俺が見つけてやるから」
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
