棘 ページ23
「そこまで言うか…？」
「僕はいない方がいいってこと？」
「…そこまでは…言ってないけど」
「言ってるようなものだろ、？」
「毎日毎日人混みに揉まれて会社に行って、
嫌なことを言われても聞こえないふりをして、
夜遅くまで働いて、、、、
それもこれも全部、君のためだった」
「…そんなの知らないよ、わからなかった」
「私はただずっと毎日待ち続けた」
「それでも北斗は帰ってこなかった」
「すれ違い続けた」
…
「…もう待つの疲れちゃった」
「私といても元気出ないよね」
「…ねぇ、なんか言ってよ」
感情が溢れるまま、言葉になって出ていく。
「そうやってすぐ黙るところが嫌いだった」
お互いの心には棘が刺さります。
心の痛みを抑えながら、北斗は口を開きました。
「…今一緒にいても、、傷つく言葉しか言えないと思う」
「今日はもう、終わりにしよう」
「…北斗は大人なんだね、
私は北斗より子どもだから傷つく言葉も言っちゃうんだろうね」
どうして八つ当たるようにしか伝えられないのだろう。
「もういいよ、私帰るね」
あなたはそう言ってから1度も後ろを振り向かずに帰って行った。
その日はずっとずっと、泣き続けた。
後悔、寂しさ、悲しさ、怒り、恨み、、すべて混じっていた。
二度と抜けることのない棘が心に深く突き刺さった。
僕たちは初めて喧嘩をした。
その喧嘩以来、
2人は2人の関係について考える日々が続きました。
離れていく距離に気づかなかった北斗
離れていく距離に気づいていたあなた
そばにいることが当たり前だったあの頃
毎日会えないことが当たり前である今
僕たちは変わってしまった。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
