会いたい2 ページ21
帰りの準備をするも、なぜか涙が止まらなかった。
ピロン
樹からメールが届く。
スマホを見ると30分前からメールが来ていた。
30分前
「今日大学なんじゃねーの？」
5分前
「大丈夫？」
今
「電話かけていー？」
あっ…
プルルルルルル
「も、もしもし…」
「んぁ？メール見ろって」
「…あ、ごめん…」
「…」
「…え？泣いてる？」
「な、泣いてないよ」
「鼻声になってるけど」
「泣いてないから」
「絶対泣いただろ笑」
「泣いてないって！」
「…っ」
「泣いて…ないよ…」
ああもう、今はやめてよ…
「…なんかあったのか？」
「……うん」
「話聞くから大学まで来て」
「…やっぱいいや、俺がそっち行こうか？」
「いや、いいよ、」
「大学行くね」
「わかった」
どうして樹はいつもつらい時に優しくしてくるの？
自分一人では限界な気がした。
誰かに話を聞いてほしくなった。
大学の食堂で待ち合わせた。
「こっちこっち」
樹が手招きをして場所を教えてくれる。
「…なにがあった？」
「…」
「今は言いたくない？」
「ううん、、大丈夫」
「…彼氏？」
「うん、」
樹に誘導されるまま最近の出来事を話した。
あなたに会いたくない時なんてないよ。
今でさえ会いたいのに。
思うままの気持ちすべてを吐き出した。
樹は自分のことのように聞いてくれた。
「、、一旦さ、そいつぶっ飛ばしに行ってきてもいい？」
「それはやめて、笑」
「いや無理だろ」
「あーーーもうマジでイラつく」
どうして樹が怒るんだろう、
樹の優しさに涙が溢れる。
「なんで泣いてんだよ」
「…樹が優しいから…」
「泣くなって笑」
「でも…」
「Aはいつもアイツを待って、結局会えないんだろ？
謝られて終わりなんだろ？…そんな関係でいいのかよ」
樹が何気なく呟いた言葉がその後も頭から離れなかった。
「…たくさん話聞いてくれてありがとう」
「おう」
「またなんかあったらすぐ言えよ」
それからも北斗とは会えない日々が続いた。
それでも私は待ち続けた。
どんなに好きでもどんなに愛していても伝わらないことがある。
どこにいてもそばにいるように感じたのに、
今はもう感じることができない。
二人の間にはつめたい秋風が吹き始めていました。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
