秋風が吹く【2】 (ページ20)

今日:30 hit、昨日:22 hit、合計:4,611 hit

会いたいページ20

朝目覚めると、北斗の部屋にいた。

ああ、そうだった。

北斗の家に行って、ご飯作って、、寝ちゃったのか。

あれ、北斗は、、、？

どこを見渡しても北斗はいない。

机の上に紙が1枚だけあった。

ゆっくりと手を伸ばし紙を見る。

「A、おはよう。

ぐっすり寝てたから起こせなかった。

昨日はごめんね。

オムライス美味しかったよ。

作ってくれてありがとう。嬉しかった。

本当は一緒に食べて一緒に寝てあげたかった。

帰りが遅くてごめん。

待たせてごめん。

ごめんばっかりで、ごめん。

仕事、行ってくるね。北斗」

紙に書かれている優しい文字を指でなぞる。

私の気持ちは伝わってる、、、？

本当は今すぐにでも北斗に会いたいよ。

会いたい。

ただ、それだけなのに…

会うだけでいいのに。

顔を見るだけでいいのに。

…どうして会えないの？

一緒にいるはずなのにどうして私は寂しいの？

どうしてすれ違うの？

不覚にも泣いていた。

秒針の進む音が部屋の中で寂しく響く。

私だけがこんなに想っているの？

私だけがあなたを待っているの？

いつしか私はあなたのことを考えると
不安や悲しみの感情で溢れていた。