秋風が吹く【2】 (ページ19)

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真っ暗な部屋の中でページ19

PM 22:00

僕はようやく家に帰って来た。

「ただいま」

…

シーンとしていた。

でも玄関にはたしかに君の靴がある。

そのままリビングにいくと、

真っ暗な部屋の中で1人、君が寝ていた。

机にはラップがかかったオムライス。

すぐに荷物を床に置いて、

君の寝顔を見る。

寝顔には、涙の跡があった。

「待たせてごめんね、」

「ただいま、A…」

君に毛布をかけてあげた。

オムライスは温める余裕もなくて冷めたまま食べてしまった。

でも食べ終わった今、すこし後悔している。

君に失礼な気がしたから。

冷蔵庫を開けてビールを取ろうとすると食べ物が入っていた。

冷凍食品も野菜も沢山入っていた。

料理出来ないんだけどな、笑

でも、ありがとう。

心配させてごめんね。

心の中でそう何度も呟いた。

気がつけば涙を流していた。

待たせてしまった申し訳なさか、
君の優しさに心が救われたのか、
何故なのか。

きっと全部だろう。

愛おしくて仕方ないのに、こんなにも好きなのに。。

それと同時に体の限界が来た。

僕はベットに入る。

背を向けたままの君が切なかった。

抱きしめたかったけど起こしてしまうのが嫌で、

「おやすみ、A」

と、優しくささやいて僕は眠りについた。