腐れ縁 ページ11
4月
大学の関係で引越しをした。
北斗も引越しをしたから、
距離はだいぶ離れてしまった。
喫茶店のバイトはやめて、
新しく飲食店のバイトも始めた。
毎日、見慣れない景色が続く。
特に大学生活は交流を深めるのが難しかった。
でも私と仲良くしてくれる人はいた。
…そして、、
「え、A？」
待って、、、この声は、、、、、
「じゅり、、？」
そして声を合わせて言う。
「「なんでここに、、？！」」
俺はその時、やっぱり運命だと思った。
「え？まさか同じ大学、、？」
「嫌そうに言うな笑」
でも俺は内心、嬉しくて仕方なかった。
もう会えないと思っていた。
卒業式で撮ったあのツーショットをずっと見返していた。
「大学まで同じってある？笑」
運命を感じるのは、俺だけ？
「ないよ笑」
「腐れ縁ってやつよ」
「その言い方やめろ笑」
「…Aー！」
「あ、ごめん友達呼んでるから先いくね」
「授業寝たらノートたまに写させてね！笑」
「友達待たせてんだろ、早く行け笑」
「え、写させてよ？！」
友達の元へ向かうAの後ろ姿を見つめる。
大学でも俺はずっと片想いをするのか。。
彼氏がいることはわかっている。
でも、
何度諦めようとしても諦めることはできなかった。
何度終わろうとしても終わることはできなかった。
何度悩んで何度苦しめばいいのだろう。
小さなことでも期待してしまう。
抗えないものはあるのだと気付かされる。
けどそれと同時に、毎日が輝くことにも気付かされた。
俺は深く深呼吸をする。
「…よしっ！」
悩んだって仕方ない。
もう答えは出ているのだから。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
