夏祭り2 ページ2
「…」
「浴衣着ると静かになるの？笑」
「…うん笑」
「なんだそれ笑笑」
「それならずっと浴衣着てて欲しいわ」
「え？」
「ごめんごめん笑」
「一生懸命可愛くしたのに…」
すると北斗は私の耳元でささやく
「いつもかわいいよ」
「でも今日は特にかわいいね」
「そ、そういうこと、サラッと言わないでよ」
「なんで？笑」
「そうやってすぐなんで？って聞くのもやめてよ…」
「Aが戸惑う姿がかわいくてつい笑」
彼の手の中で弄ばれているような気がする…
そんな会話を続けているうちに
周りの景色もだんだんと変わっていきます。
暗い夜空に屋台の光がキラキラ輝きます。
金魚すくい、射的、りんご飴、かき氷、、、、
「どこ見たい？」
「射的！」
「北斗のかっこいいところ見たい笑」
「いいよ、見てて笑」
北斗は銃を構えます。
いつもとは違う北斗を見ると胸がドキドキした。
目、鼻筋、口、、なんて綺麗な顔なんだろう。
パンッ
「？！？！」
あ、そうだ、射的やってたのか笑
射的をやっていたことを忘れてしまうくらい
綺麗だった北斗の顔。
「はい、これ」
そう言って渡されたのは箱に入ったラムネでした。
あなたはその箱を嬉しそうに受け取ります。
「ふふ、ありがとう」
「北斗、かっこいいね」
「？」
周りの雑音で聞こえなかったのか、
北斗は耳に手を当てます。
「ねぇ、聞こえてるでしょ？笑」
「聞こえないよ笑」
「もっと聞こえるくらいの声で言って」
あなたは北斗の耳元へ背伸びして耳打ちをします。
「北斗、かっこいいよ」
「だいすき！」
そしてこの瞬間を狙っていたかのように
北斗の頬にキスをします。
…っ！！？
「顔、赤いよ？笑」
いつもの仕返しのように畳み掛けるAさん。
「…！」
そしてちょうどいいタイミングで
空には大きな花火が打ち上がります。
「あ！北斗見て！花火…」
そう言って横に振り向いた時、
北斗はあなたの頬に手を添えてキスをしました。
「僕は花火よりAがいいよ」
ふふ、と微笑むあなた。
周りの人は空を見上げる中
二人だけは互いを見つめあっていました。
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作者名：Kakityann | 作成日時：2024年2月26日 19時
