49 ページ49
**
一晩考えた。
いや、会社から今とほぼ同じ距離、同じ家賃で部屋を探した。と言うのが正しい。
結果、部屋は見つからなかった。
どの部屋も家賃が高い。
(条件下げるしかないのかなぁ……。)
〔おはよ!今から部屋行っても良い?〕
朝から流星が行っても良いか聞くなんて珍しい。
準備するから30分後に来て欲しいと伝えて、
大急ぎで準備する。
今日が土曜日で本当に良かった。
.
流星「部屋見つかりそう?
Aのことだから、部屋探ししてたんじゃないの?」
『……そうです。
でもなかなか無くて……
条件下げないとかも。』
流星「条件?」
『会社から今と同じ距離で、同じくらいの家賃。
けど家賃が高いから、会社からもっと離れなきゃかも。』
流星「会社って、どのあたり?」
『……○●』
流星「○●?俺も事務所近くだよ?」
『そうなんだ。』
流星「やっぱり、一緒に住むのは難しい?」
『うん、悪い気がして…』
流星「例えば?」
『流星に家賃を負担させるのはちょっと…、
あと、流星彼女や友達、家に呼べないよ?』
流星「家賃かぁ、家のことだけどさ、
気づいてるかもしれないけど、実は週刊誌の記者や、ファンの人たちに家がバレてて、
事務所から家賃補助するから
セキュリティしっかりした部屋に引っ越すように言われてるんだ。
俺、今は仕事が大事で彼女つくる余裕ないし、友達はいつも外で会うんだ。
それに、別々の所に引っ越したら、毎回通うことになるし……、」
『通う!?それって大変だよ!』
流星「でしょ?でも、Aのご飯が食べられなくなる方が辛いし。
やっぱり、一緒に住むのは考えられない?」
捨てられた子犬みたいな目で見つめられる……
.
『…………お言葉に甘えさせていただきます。』
流星はパアッっと笑顔になった。
**
371人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どんぐりねずみ | 作成日時:2020年10月12日 21時