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一晩考えた。

いや、会社から今とほぼ同じ距離、同じ家賃で部屋を探した。と言うのが正しい。


結果、部屋は見つからなかった。

どの部屋も家賃が高い。


(条件下げるしかないのかなぁ……。)


〔おはよ!今から部屋行っても良い?〕

朝から流星が行っても良いか聞くなんて珍しい。

準備するから30分後に来て欲しいと伝えて、
大急ぎで準備する。

今日が土曜日で本当に良かった。


.



流星「部屋見つかりそう?
Aのことだから、部屋探ししてたんじゃないの?」

『……そうです。
でもなかなか無くて……
条件下げないとかも。』

流星「条件?」

『会社から今と同じ距離で、同じくらいの家賃。
けど家賃が高いから、会社からもっと離れなきゃかも。』

流星「会社って、どのあたり?」

『……○●』

流星「○●?俺も事務所近くだよ?」

『そうなんだ。』

流星「やっぱり、一緒に住むのは難しい?」

『うん、悪い気がして…』

流星「例えば?」

『流星に家賃を負担させるのはちょっと…、
あと、流星彼女や友達、家に呼べないよ?』

流星「家賃かぁ、家のことだけどさ、
気づいてるかもしれないけど、実は週刊誌の記者や、ファンの人たちに家がバレてて、

事務所から家賃補助するから
セキュリティしっかりした部屋に引っ越すように言われてるんだ。

俺、今は仕事が大事で彼女つくる余裕ないし、友達はいつも外で会うんだ。

それに、別々の所に引っ越したら、毎回通うことになるし……、」

『通う!?それって大変だよ!』

流星「でしょ?でも、Aのご飯が食べられなくなる方が辛いし。

やっぱり、一緒に住むのは考えられない?」




捨てられた子犬みたいな目で見つめられる……




.




『…………お言葉に甘えさせていただきます。』






流星はパアッっと笑顔になった。




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作者名:どんぐりねずみ | 作成日時:2020年10月12日 21時

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