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side R
帰り道、たまたまAを見つけた。
エレベーターに一緒に乗っても気付かないし…
俺は後ろ姿で気付いたのに。
買い物袋をチラッと見たら、お酒とおつまみ。
Aがこんな遅くにお酒を買ってるなんて珍しい。
しかも、メイクがいつもと違う気がする。
なんだろう、モヤモヤする。
お腹空いたと口にしたら、家に誘ってもらえた。半分狙ってたから喜んでついてく。
家でご飯食べながら聞いた話しは、俺を余計モヤモヤさせた。
合コンって？まぁ、24だし、彼氏もいないからありだろうけど…
だからメイクが違うのか！
可愛いと思ったから素直に褒めたら、照れてる。
それだけで些細な独占的が満たされた。
話しを聞けば聞くほどAって男はAを狙ってる。しかもAは全然気付いてない。
褒めたらチャラいって？なんでだよ！
Aの話しを聞いても、複雑な気持ちだった。
ご飯を食べたら、いつもは部屋で話したりするけど、
今の俺はそんな気分にはなれず、夜遅いのを理由に部屋に戻った。
シャワーを済ませてベッドに横になっても、考えるのはAが合コンに行ったということばかり。
Aにその気がなくても、周りの男は放っておかない。
モヤモヤの正体は、きっと焦りだ。
Aとの時間が穏やかで大切だから、このままで良いと思っていた。
けど、Aに彼氏が出来れば簡単に壊れてしまうほどの関係だと、やっと気づいた。
(俺はまだ何もしていない。)
今が大事な時なのはわかっている。
でも、Aが大切だって気づいた気持ちに蓋なんて出来ない。
「俺も頑張るか」
呟いてみたらAへの想いで心がじんわり温かくなった。
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作者名：どんぐりねずみ | 作成日時：2020年10月12日 21時
