2 ページ3
.
はーーーーーーー。
家に帰ってきた瞬間ため息が出るくらいには疲れた。時計を見る。午前2時。さすがに終わってる。
俺はもう一度ため息をつき、頭をかいた。
こういう疲れた日は早く寝たいのに風呂に入ったりする気が起きなくて結局寝るのが遅くなるのだ。
しかも今日は疲れすぎてむしろ眠気が来ない。詰んだ。
「明日も早かとに…」
明日じゃない。今日か。
自分で口に出して更に悲しくなってきた。
はぁ…
ため息が止まらない。
と、そんな時。
ﾋﾟﾛﾝ
スマホの通知が鳴った。なんだと思い画面を見る。
『夜見 のツイート 今から配信始めます。よろし』
ヒーロー活動の一貫として一応開設した某SNSの通知だった。みんなほぼSNSが動かないため、だいぶ珍しい。
「てかこれく抜けてるじゃん」
ちょっと面白くなってその通知をタップした。寝れないほんの暇つぶしのつもりで。
✄-------------------‐✄
「最近私___っていうゲームにハマっててさ。空き時間全部それに費やしてる」
がちかわいくないこの子! と、某電気ねずみのぬいぐるみをドアップで写す夜見さん。
他愛のないことを面白おかしく話す彼女はだいぶ人気のようで、
「同接3万…この時間帯に?私が言うのもちょっとあれだけど寝なよ君たち」
画面の向こうの彼女が可笑しそうに笑った。
１回再生画面を小さくし、流れるコメントをぼんやりと見る。完全プライベートなこのアカウント名は「ケイゴ」。これだけあれば拾われることもないだろうと謎の言い訳をし、1つだけコメントを打つ。
しかしやっぱり気が引けるので文字を消そうとしたその時。
「やべっ」
間違えて送信ボタンを押してしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空き缶 | 作成日時：2024年2月8日 19時
