今日もこの世界は【d!】 (ページ10)

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08. いよいよページ10

『そんな簡単にこの業界って抜けられるもんなの？』

｢うん、その気になれば

だから今回のでもう[歪んだ空間の面接官]は辞職して、僕も転生する｣

『え？転生？パラも？
ていうか、役職名[歪んだ空間の面接官]は草』

｢それな
なんか長ったらしくてダサいから早く辞めたかったんだよね｣

『www

あのさ、転生ってことは、うちら同じ世界に行くってこと？』

｢いや、まだ詳しくは分からないんだけど
Aがいた時空とは違うのがいくつかあるから同じ世界に転生出来る確率は低いかな…｣

『そっかー、でもうちら気が合うし、会えるんじゃない？なんかね、野生の勘ってやつ？』

｢野生の勘かw
でも、僕も会えると思う

だからさ、出会った時のために合言葉作っとこうよ
お互いが、一瞬で分かるやつ｣

『それ賛成！
何にする？私はもうあれしかないと思ってるんだけど』

｢僕も思い当たる節はある｣

｢｢歪んだ空間の面接官｣｣

これしかないだろ

『よし、決まりだね』

｢そうと決まれば早く転生の手続きをしよう

きっとみんなも[前置きが長い][早く転生しろ]って言ってる頃だしね｣

『急にメタ発言ぶっ込んでくんのやめろ？』

｢じゃあこの書類にサインして｣

『いや無視すんなよ』

｢これがペンだよ
これでサインしないと反映されないから気をつけてね｣

『…』

もういいや諦めよ
無視されるのってこんなに辛いんだね

私は契約書らしきそれにサインをした

その紙とペンをパラに返すと、その隣にパラも何かを書いた

『何書いたの？』

｢僕の名前
書かないと転生できないから｣

そうか、こいつも転生するんだった

そう思って書類を覗くと、神崎Aという文字の隣にきれいな字で｢ぴくと｣と書かれていた

『ぴくと？パラの正式名称？』

｢正式名称ってなんだよwものじゃないんだから

僕がここに来る前の名前だよ｣

なるほど
なんかかわいい名前

そんなことを考えていたら、ぴくとが手を握ってきた

｢せーのって言ったらAはその椅子から飛び降りてね｣

『手を繋ぐ必要性とは』

｢見ればわかるでしょ僕今浮いてんの

Aが飛び降りる重力の力で僕も降りる｣

『なるへそ』

｢じゃあ行くよ

｢｢せーのっ！！！！｣｣

私は言われた通りに飛び降りた

一気に浮遊感に襲われる

下を見ればどこまで続くのか分からない空間

ぴくとは目をつぶっていた
私も、と思い目を閉じる

するとだんだん私の意識は歪んだ渦の中に飲まれていった