今日もこの世界は【d!】 (ページ15)

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13. よくあるやつページ15

バーンッ！と勢いよく家を出たはいいものの、

『道わかんねえ！！』

そりゃそうだよね！私転生したんだった

私が前世で住んでたのもマンションだったから家出た時はあんま違和感感じんかったけど、
よく良く考えればこれってこの世界の外に出たの初めてなわけで
学校への通学路なんか分かりっこないよな

この時点でもう2分は経ってる
どうしよ

なんかヒントの一つや二つがないかと思い、背負っていたリュックを開ける

しかしそこには財布とスマホが乱雑に投げ入れられているだけで、それ以外は何もない

…ん？スマホ？

『スマホがあるやん！！！』

急いでスマホを取りだす

幸いロックはかかってなくてすんなり開くことが出来た

私はマップを開いて我々高校を検索した

『あ、あったあった…って、あれ？』

［我々高校→現在地から徒歩20分］

ん～？やばくないか？

今から本気出して走れば早くても10分弱はかかるな…

この世界の私の体がどんくらいの能力持ってるのかわかんないし、とりま早く出発した方が良さそうだ

ああ～、今から走んのか

『…髪、邪魔やな』

私は近くにあったコンビニに入って、飲み物とハサミを買った

ジョキッ

バサバサと地面に髪の毛が落ちる

途端に体が軽くなるのを感じた

よし、全力疾走や！

私は買った飲み物がコーラだということも忘れて猛ダッシュで高校に向かった

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どのくらい走っただろうか

さすがにどんなに身体能力の高い私でも疲れてくる

感覚的にもうそろそろ着く気がするな

今28分やからギリ間に合うかも、なんて考えながら最後であろう曲がり角を通過した

はずだった

ドンッ

誰かにぶつかった

全力で走ってたもんだから、その勢いで私は地面に投げ出された

『痛った…』

うわ、時間ロスや

てか今ぶつかった人大丈夫か？
私だいぶスピード出てたと思うけど

人の出てきた方を見れば、案の定その人は道に投げ出されていて｢うぅ…｣と呻いていた

『あのぉ、ごめんなさい

怪我とかありませんか』

声をかけるとその人はお腹を擦りながら起き上がった

そしてその姿を見て私は気付いてしまった

制服が同じや

しかも男

え、先輩やったらどうしよう
こっ、殺されるっ！

名前聞かれる前に逃げんと！！

『あっ、あ、あの、すいませんでしたあぁぁぁぁぁ！！！』

その人のポカンとした顔を背に、私はそう叫びながら走り去った

？｢……変なやつ｣