今日もこの世界は【d!】 (ページ11)

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09. 新しい世界ページ11

『うぅ～ん…』

まだぐるぐると回った感覚の残る頭を起こす

『うぅ～』と唸りながら目を開くと、そこには見たことの無い部屋が広がっていた

白い壁、フローリングの床

部屋には白を基調とした家具が並んでいて、シンプルだが必要なものは揃っている

住めと言われたら今すぐにでも住めそう、そんな部屋のベッドの上に私はいた

…あれ？なんでこんなとこにいるんだっけ？

確か、ポテチで滑って死んじゃって、変なとこに行って、パラ…じゃなくてぴくとに会って、転生がどうちゃらこうちゃらで……

あぁ、そうだ
私、転生したんだった

そういやぴくとちゃんと転生出来たかな…

同じ世界にいればいいな～、なんて無理か

いくつも世界があるんだもんな
運にも程があるよな

って、そんな回想してる場合じゃないわ
現実と向き合わないと

辺りを見回せば鏡があったので、自分の姿を確認してみる

『なんか…そんな変わんねーな』

転生したら可愛くなると思ってたけど、そんなことはなくて

鏡越しに見た私は、前世のときの私と大して変わっていなかった

強いて言うなら、髪の毛が腰上くらいまで伸びているということ

いや、だいぶ髪の毛変わってたわ
転生前の私、肩上までしか無かったもんね

でも、目も鼻も口も髪の色もそのまんま
ちょっと配置のバランスが良くなったかなっていうくらい

なんでか知らんけど身長もそんな変わってないっぽい
目線が前と同じだ

『そのまんまやなぁ……って、お？』

鏡と見つめあってたら、奥のテーブルになんか置いてあるのを見つけた

なんだあれ

近づいてみれば、それは白い表紙をしたなんかの本？みたいなやつだった

手に取って中を見る

開いて1ページ目には、《Aさんへ》と書いてあった

《Aさんへ
初めまして、私は神です
パラからも聞いているとは思いますが、あなたは転生しました
初めて見る世界、何かと不安なことも多いでしょう

…まあ、せいぜい頑張ってください
ポテチの袋ごときで死んでしまったあなたにしてあげられることはほとんどありません
とりあえずこちらには、あなたの詳しい情報を載せておきました
あなたがこの世界で上手く生きていけることを祈っておきます
　 By天才の神》

『は？』

なんやこれ

神様直々に私にこれをよこしたってか

｢ポテチごとき｣とか、めっちゃ煽ってくるやん