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滝沢くんに呼ばれてジャニーさんの病室に入る。
部屋の中にいるのはジャニーさんと滝沢くんと俺だけ。
滝｢呼び出してごめんな。ジャニーさんの事なんだけど｣
紫｢はい｣
滝｢ちゃんと意識が回復するか分からない｣
紫｢…はい｣
滝｢だから、ジャニーさんが居なくなってしまう前に、しのに伝えたい事がある｣
紫｢はい｣
滝｢…これは、ジャニーさんがずっと書き留めていたノートって言うのか、日記なんだけど、しのに読んで欲しくて｣
紫｢いいんですか？｣
滝｢うん。これはしのが読んだ方がいいと思って｣
そう言って渡されたノートの表紙にはこう書いてあった。
『僕のMousa』
紫｢ムーサ？モーサ？｣
滝｢ムーサって読むみたい。ギリシャ神話に出てくる女神の名前で音楽とか芸術を司ってたみたいだよ。読んでみな｣
そう言われて俺はノートを開いた。
2010年10月31日
僕のMousaを見つけた。
大事に育てなくては
2010年11月○日
Mousaはソロが良く似合う。
周りの引き立て役にもなれるけど僕は、あの子には輝いていて欲しい
2010年11月○日
Mousaが僕に話しかけてきた。
何か話そうって思ったんだけど、話せなかった。
僕みたいなやつが話しかけていい存在では無い。
僕は遠くからMousaを育つのを見ているだけでいいんだ。
2011年5月×日
Mousaが制服を着たままやってきた。
そうか、高校生になったのか。
2011年8月△日
あの子をどう育てていこうか悩む。
でも、このままでデビューはさせたくない。
2011年12月●日
彼に頼んであの子をデビュー組の前座に出させた。
やっぱり僕のMousaだ。
2012年4月○○日
そろそろ1人でライブをやってみさせたい。
2012年7月××日
あの子がやりたいようにライブをさせてあげたい。
きっと素晴らしいものになる。
2012年10月△△日
Mousaが学校で出し物をやると聞いたので頼んで撮ってもらってきた。
やっぱり輝いて見える。
2012年12月●●日
もうすぐソロコン。
きっと素晴らしいものになる。
2012年12月○日
とても良かった。
でも、まだだ。
2013年4月△日
彼が進学のために活動を控えたいと申し出てきた。
僕はいつまでも待つ。
2014年2月×日
進学先が決まったらしい。
良かった。
本格的に活動をさせてあげたい。
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作者名：むー | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/st1995617
作成日時：2023年4月4日 19時
